運転手の契約社員雇用とは?メリット・注意点・費用相場まで解説
2021年07月24日

繁忙期や新規案件の増加などで、運転手の増員を検討する企業も少なくありません。
正社員を新たに採用する場合、採用コストの負担が大きくなる可能性があるため、契約社員という選択肢を検討するケースもあるでしょう。
本記事では、運転手を契約社員として雇用する際に、企業が押さえておきたいポイントを解説します。
雇用形態の特徴・費用相場・メリット・注意点まで、実務に役立つ情報を整理しました。
契約社員としての雇用を検討している企業担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
1. 運転手は契約社員として雇用できる?
役員運転手や送迎ドライバーなどの運転手の職業全般で、契約社員として雇用できます。
正社員と契約社員のおもな違いは、下表の通りです。
| 項目 | 正社員 | 契約社員 |
| 雇用期間 | 無期 | 有期 |
| 給与 | 月給制 | 月給または時給制 |
| 賞与・昇給 | あり | 多くの場合なし |
| 退職金 | あり | なし |
| 労働時間 | フルタイム | 企業により異なる |
契約社員は雇用期間を定めて採用するため、業務量や予算に応じて柔軟に人材を確保できる点がメリットといえます。
一方、人件費や業務量で調整がしやすい反面、更新のたびに再検討が必要な点には注意しておきましょう。
雇用期間やコストなど、なにを重視するかによって雇用形態を選ぶことが重要です。
2. 運転手の雇用形態とその特徴
運転手の雇用形態には、ほかの職種と同様にいくつかの種類があります。
契約社員での雇用と比較しながら、それぞれ解説します。
2-1. 契約社員
契約社員とは、企業と直接雇用契約を結び、あらかじめ勤続期間が定められている雇用形態です。
1回の契約期間は原則として最長3年とされ、契約満了時には企業が更新するか終了するかを判断します。
企業側のメリットは、正社員より人件費をおさえやすく、繁忙期などに合わせて人員を調整できる点です。
一方で、スキルの高い人材を確保しにくい場合や、正社員ほど責任の重い業務を任せにくいという注意点があります。
また、契約社員が増えると正社員の負担が大きくなる可能性もあるため、雇用バランスを考えることが重要です。
2-2. 正社員
正社員とは、雇用期間の定めがない直接雇用の働き方で、一般的にフルタイム勤務となります。
企業側のメリットは、長期的に活躍してくれる人材を確保し、育成できる点です。
運転手を正社員として採用すれば、業務ノウハウを社内に蓄積しやすく、安定した運行体制を構築しやすくなるでしょう。
一方で、給与・賞与・研修・教育費など人件費が高くなりやすいという側面もあります。
また、日本では労働者保護の観点から、正当な理由がない限り正社員を簡単に解雇できないため、人員調整が難しい場合がある点にも注意が必要です。
関連記事:役員運転手の直接雇用とは?派遣との比較やメリット、デメリットをご紹介
2-3. アルバイト・パート
アルバイトやパートは、短時間勤務を前提とした雇用形態で、法律上は「パートタイム労働者」に分類されます。
企業側のメリットは、必要な時間帯や業務量に応じて人員を配置しやすく、人件費をおさえながら運用できる点です。
運転手業務でも、送迎など特定の時間帯のみ人員を確保したい場合に活用できます。
一方で、勤務時間が正社員に比べて短いため業務対応の範囲が限定されやすい点や、長期的に人材を確保しにくいという点には注意が必要です。
担当業務や勤務時間を明確にし、正社員や契約社員との役割分担を整理しておくとよいでしょう。
2-4. 派遣社員
派遣社員とは、派遣会社と雇用契約を結び、派遣先企業の指示のもとで業務を行う働き方です。
企業側のメリットは、必要な期間だけ即戦力となる人材をすぐに確保できる点や、給与計算や社会保険手続きなどの労務管理を派遣会社に任せられる点にあります。
運転手業務でも、欠員補充や繁忙期の増員として活用しやすい雇用形態です。
一方で、派遣期間には法律上の上限があり、同じ職場で長期間働いてもらうことが難しいという注意点があります。
契約更新ができなかった場合は、新たな人材を募集して一から教育しなければならないため、採用や教育の手間が発生する可能性があるでしょう。
2-5. 外部委託(請負)
外部委託(請負)とは、企業が従業員として雇用するのではなく、自社の業務の一部を外部企業へ委託し業務委託契約を結び、業務の成果に対して報酬を支払う契約形態です。
企業側のメリットは、社会保険や給与管理などの労務管理が不要で、必要な業務だけを任せられる点です。
必要なときに専門性の高いスキルを持つ人材を確保できるため、社員教育の必要がなく、人件費の削減や業務コストの効率化を図れます。
また、業務委託の量が増えすぎると、正社員を雇用するよりコストがかかる場合もあるため、委託範囲や費用のバランスを検討することが重要となるでしょう。
3. 運転手を契約社員で雇用する際にかかる費用相場
運転手を契約社員として採用する場合、求人広告の掲載費や求人媒体利用料など、さまざまな費用が発生します。
媒体によっては数十万円〜数百万円かかることもあり、採用担当者の選考対応や面接などの内部コストも無視できません。
これらを含めた採用単価は、運転手1人あたり30万円〜が目安とされています。
ただし、人が集まらず募集期間が長引くと費用は増え、100万円近くかかる場合もあるでしょう。
また、採用後の教育・研修費用に加え、早期離職が発生した場合には再採用の費用がかかる可能性もあるため、採用は長期的な視点で計画を立てることが重要です。
関連記事:ドライバー採用を成功させる7つのポイントとは?定着率を上げる方法も解説
4. 運転手を契約社員として雇用するメリット
運転手を契約社員として雇う場合、会社側にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
本章では、正社員やパートでの採用とは異なる契約社員のメリットをご紹介します。
4‐1. 雇用調整がしやすい
契約社員は雇用期間があらかじめ定められているため、事業計画や繁閑に合わせて人員配置を調整しやすい雇用形態です。
繁忙期だけ増員したり、プロジェクト単位で採用したりといった柔軟な働き方が可能で、会社側の経営リスクをおさえるメリットがあります。
また、契約更新の有無で人件費もコントロールできるため、景気や業績の変動に応じた人材戦略がしやすいでしょう。
4-2. 専門スキルを持つ人材を確保できる
契約社員は、必要な業務や期間に合わせて 特定のスキルを持つ人材を狙って採用しやすい点が特徴です。
特定の業務経験や資格を要するポジションでは、募集要項に条件を設定して経験者をピンポイントで確保できます。
また、スキルが明確な契約社員を採用することで育成期間も短縮でき、即戦力として活躍が期待できます。
こうした柔軟な採用は、プロジェクトベースや専門的な業務に特に有効です。
4-3. 人件費や教育費をおさえられる
契約社員は基本的に有期契約で、給与や待遇が明確になりやすく、賞与や退職金制度を付けないケースも多いため、総人件費を相対的におさえられます。
さらに、特定業務に特化した人材を採用することで、教育や研修にかかる時間・費用も節約できて育成の負担が軽くなります。
効率よく業務を回しつつコスト削減ができる点は大きな魅力です。
5. 運転手を契約社員として雇用する際の注意点
契約社員の雇用には、メリットばかりではなく注意点もあります。
会社のトラブルに発展しないためにも、デメリットや注意点について理解しておきましょう。
5-1. 契約期間中は解雇できない
契約社員には定められた契約期間があるため、原則として契約満了までは解雇できません。
正当な理由がない限り途中で雇用を終了させることは労働契約法上認められず、企業側は期間中の人員計画や業務割り振りを慎重に計画する必要があります。
期間中の契約解除はトラブルにつながりやすいので、契約前に業務内容と契約条件を明確にしておくことが重要です。
5-2. 業務内容が限定される
契約社員は基本的に「契約で定められた仕事内容」に沿って働くことになります。
専門性や役割が明確な反面、契約外の業務を担当させるのは難しく、職務範囲が限定される傾向があります。
幅広い業務を柔軟に対応してほしい場合は、契約内容の再設計が必要になるため、採用前に仕事内容や期待値を具体化しておくことが大切です。
5-3. 契約社員の入れ替わりによって現場の負担が発生する
契約期間満了で契約社員が退職した場合、新たな人材の採用や引き継ぎが発生します。
これが頻繁に起きると 現場への負担が増え、教育・研修コストや業務引き継ぎに時間がかかることもあります。
特に、ノウハウの蓄積やチームワークが重要な現場では、人の入れ替わりによって効率が落ちるリスクを考慮しておきましょう。
6. 運転手を契約社員として雇用するうえで知っておきたい制度
本章では、運転手を契約社員として雇用するうえで、企業が知っておいたほうがよい制度について解説します。
会社や社員を守るためにも、必要な知識を身につけておきましょう。
6-1. 無期転換の5年ルール
契約社員には「無期転換ルール」という制度があります。
これは、同じ会社で有期契約を通算5年以上更新して働いた場合に、雇用期間の定めがない「無期雇用契約」に転換できるものです。
5年の期間がポイントとなるため、5年ルールとも呼ばれています。
無期転換が認められると、契約期間ごとの更新が不要になり、長期的に同じ職場で働き続けられるようになります。
労働者が会社に申し込みを行い、会社側はそれを拒否できません。
ただし、無期に転換されても自動的に正社員になるわけではなく、待遇や役職は別途協議が必要です。
このルールは労働契約法に基づき2013年から施行されており、通算契約期間が5年を超えた契約社員全般が対象となります。
参考資料:無期転換ルールについて|厚生労働省
6-2. 同一労働同一賃金
契約社員の給与に関しては、「同一労働同一賃金」への理解が大切です。
これは、正社員と仕事内容や責任の重さが同じであるにもかかわらず、基本給・賞与・各種手当・福利厚生などに不合理な差をつけてはならないというルールです。
「契約社員だから仕方ない」と思い込んでいる待遇差も、実は法律上見直しの対象になる可能性があります。
会社には待遇差の理由を説明する義務があり、仕事内容が正社員とほぼ同じなのに賃金や手当ての差が大きい場合、その差が合理的か確認することが大切です。
トラブルに発展するリスクもあるため、社員や会社のためにもこの制度のポイントをおさえておきましょう。
参考資料:同一労働同一賃金特集ページ |厚生労働省
7. 運転手は「契約社員」と「外部委託」のどちらを選ぶべきか
契約社員や正社員としての自社雇用は、業務ノウハウを社内に蓄積でき、長期的な人材育成や安定運用に向いています。
一方で、採用費や人件費などの固定費がかかる点がデメリットです。
外部委託は、専門性の高い業務を必要な期間だけ任せられ、採用や教育の手間をおさえられるのが強みですが、社内に知見が残りにくい側面もあります。
長期的・中心的な業務は「自社雇用」、短期・専門的・需要が変動する業務は「外部委託」が向いており、どちらがよいかは目的・期間・コスト面などを見きわめて選ぶと失敗しにくいでしょう。
関連記事:役員運転手は直接雇用より外注する時代!依頼方法と相場紹介
8. 役員運転手を検討されている企業は「セントラルサービス」へご相談ください
「セントラルサービス株式会社」は役員運転手の派遣・請負会社です。
契約社員の雇用が難しい場合、派遣社員を検討してみてはいかがでしょうか。
派遣社員であれば、正社員を雇用するよりもコストをおさえられ、需要の高い時期だけ依頼が可能です。
月極定期契約だけでなく、必要なときだけのスポット契約もご利用いただけます。
派遣するドライバーは、さまざまな研修を終えた高度なスキルを持つプロドライバーです。
役員運転手の外部委託を検討されている企業のご担当者様は、お気軽にお問い合わせください。
9. 運転手の契約社員に関するよくある質問
本章では、契約社員としての運転手を雇用する際によくある質問をご紹介します。
9-1. 契約社員も雇用保険への加入は必要?
契約社員であっても、一定の条件を満たす場合には 雇用保険への加入義務があります。
具体的には、次のような条件です。
- 31日以上の雇用見込みがある
- 週間所定労働時間が20時間以上
- 契約更新が契約書に明記され、31日未満での雇止めの明示がない
未加入のままにするのは法令違反となり、罰則の対象となることもありますのでご注意ください。
9-2. 契約社員の運転手に賞与を支払う必要はある?
契約社員に賞与を支払う義務は、法律で一律に定められているわけではありません。
元々賞与は、法律で義務づけられた給与ではなく 労働契約や就業規則上の取り決めによって支給されるかが決まります。
ただし、「同一労働同一賃金」の考え方から、仕事内容や責任が正社員とほぼ同等であるのに賞与だけ支給しないのは、不合理な待遇差として是正対象になる可能性があります。
9-3. 契約社員の運転手は5年経過すると自動的に正社員となる?
「無期転換ルール」は、5年が経過したからといって自動的に正社員になるわけではありません。
無期雇用に転換するためには、労働者自身が申請する必要があり、無期契約になった後も給与や役職などの待遇は前の契約と同じことが一般的です。
無期契約社員は、正社員と同様に雇用が安定しているというメリットがある一方で、職務内容や待遇面では正社員と異なるケースがあります。
そのため、無期契約社員は正社員とまったく同じではないことを理解しておきましょう。
10. まとめ
運転手を契約社員として雇用するのは、採用コストの抑制・専門スキルや需要に合わせた人材の確保など、会社にとってのメリットが多くあります。
観光シーズンや企業イベントなどの繁忙期に合わせた運転手雇用としては、ぴったりの雇用形態です。
しかし、無期転換ルールや同一労働同一賃金などの注意点もあり、場合によってはトラブルに発展するリスクもあります。
会社や契約社員のためにも、制度を守り活用することが大切です。
増員で求人募集をかける場合には、契約社員の雇用も選択肢の一つにしてみてはいかがでしょうか。
また、役員運転手の外部委託を考えられている場合は、ぜひプロドライバーが集まる「セントラルサービス株式会社」もご検討ください。
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