運転手の仕事がなくなる!?自動運転化で懸念される将来性
2022年10月12日
運転手の仕事がなくなるのではないかと、将来性に不安を感じている方も多いでしょう。
日本では自動運転の技術開発が進み、今後多くの業界で普及する可能性があります。
しかし、自動運転の完全実用化には遠く、解決すべき課題も少なくありません。
仮に実用化されても、厳しい条件が設けられる可能性もあります。
一方で運転手は人手不足が続いており、常に根強い需要が存在します。
自動運転が普及したあとも仕事がなくなる可能性は低いでしょう。
本記事では、運転手の将来性や自動運転の可能性について詳しく解説します。
運転手という職業の未来に危機感を感じている方は、ぜひ本記事で現状と将来のために取るべき行動を確認してみてください。
目次
1. 運転手の将来性は「なくならない」
自動運転が実用化されたとしても、運転手の将来性は明るいといえます。
需要が減る可能性は考えられますが、仕事がなくなる心配はありません。
タクシーやバス、トラックなどの運転手は、人手不足が課題となっています。
自動運転は人手不足の解決策として注目されていますが、完全に代替できるわけではありません。
特にイレギュラー対応など人の判断が不可欠なシーンでは、運転手は欠かせない職種といえます。
また、多くの会社では労働環境の改善を進め、運転手が働きやすい職場づくりに取り組んでいます。
自動運転は技術面やインフラ整備での課題があり、実用化には程遠いのが実情です。
今後実用化が進んでも、気象条件やルートなど条件が付く可能性が考えられます。
結論として、運転手の将来性という観点では、自動運転の進展によって仕事内容が変化する可能性はあるものの、需要そのものが消える可能性は低いと言えます。
今後は「運転する人」から「安全・サービス・運行を担う人」へと役割が変化していくでしょう。
2. なぜ運転手の将来性が不安視されているのか
運転手の将来性が不安視されている理由は、自動運転の普及だけではありません。
ニュース・SNSでの「仕事がなくなる論」や、労働条件・働き方のイメージも影響しています。
ここからは、運転手の将来が不安視されている具体的な理由について解説します。
2-1. 自動運転・AIの普及による不安
自動運転はレベル0〜5に分けられています。
レベルごとの違いは次のとおりです。
| レベル | 特徴 | 運転主体 |
| 0 | 運転手が運転操作を行う(従来の車) | 運転手 |
| 1 | アクセル・ブレーキ・ハンドル操作のいずれかをシステムがサポート | 運転手 |
| 2 | アクセル・ブレーキとハンドル操作の両方をシステムがサポート | 運転手 |
| 3 | 特定条件下でシステムが運転操作を行う(緊急時はドライバーが対応) | システム(緊急時は運転手) |
| 4 | 緊急時対応も含め、特定条件下でシステムがすべての運転操作を行う | システム |
| 5 | 条件を問わず、システムがすべての運転操作を行う | システム |
参考:ついに日本で走り出す!自動運転“レベル3”の車が走行可能に(政府広報オンライン)
レベル1・2は運転支援で、レベル4以上が自動運転です。
日本では2020年4月に道路交通法が改正され、公道でレベル3の自動運転が制度上認められました。
近年は、レベル4以上の実現を目指した技術開発や実証実験も進んでいます。
しかし、地域・ルート・気象などの条件付きで進む可能性があります。
遠隔監視や運行管理、許可制度の制約もあるため、自動運転がさらに普及しても人の手が完全に不要になるわけではありません。
2-2. ニュースやSNSで広がる「仕事がなくなる論」
ニュースやSNSでは、運転手の仕事がなくなるという論調の内容を目にすることもあります。
しかし、自動運転のレベルを混同したケースや、海外の事例を部分的に引用しただけというケースも少なくありません。
ニュースでは、インパクト重視で見出しを採用している場合もあります。
自動運転が実用化されると、運転手の需要が減ることも考えられます。
ただし職種が消えるのではなく、職務が再編されるといったほうがよいでしょう。
今後は車両の運転操作から監視や運行管理、安全対応などに役割が変わる可能性がありますが「仕事がなくなる」と悲観する必要はないでしょう。
2-3. 若年層が業界に入りづらい理由
運転手の将来に対する不安は、労働環境や働き方のイメージにも起因しています。
運転手という職種に対して「きつい」「労働時間が長い」など、ネガティブなイメージを抱く人は少なくありません。
また、免許取得のハードルや、キャリア像の見えにくさから敬遠されている側面もあります。
近年は、労働環境の改善や残業時間の削減に取り組む会社も増えています。
一方で業界の移行期の負担もあり、依然として「選ばれにくい職種」であるのも実情です。
ただし、今後改善が進めば業界イメージが変わり、運転手を目指す人が増える可能性もあります。
3. 運転手の仕事が将来もなくならない理由
運転手の将来性が高いと考えられる理由は、自動運転では運行面(安全管理や顧客対応)を含む代替できない業務が数多く存在するためです。
完全な自動化は困難であり、これらの業務は今後も残ります。
ここでは、運転手の仕事が将来もなくならないと推測できる具体的な理由を3つの視点から解説します。
3-1. 人の判断が不可欠なシーンがある
自動運転が普及したあとも、人の判断が求められる場面がなくなるわけではありません。
たとえば、事故や災害などのトラブルが発生した場合、状況に応じて人が判断する必要があります。
また、荷主都合による急な予定変更や、混雑時の迂回、歩行者が多い環境での運転など、柔軟な対応が必要な場面は多岐にわたります。
AIは、このような突発的なトラブルへの対応が苦手です。
システムの運転領域(条件)から外れた場合、エラーが起きて停止してしまうかもしれません。
トラブルへの対応に関しては、今後も人が重要な役割を担うでしょう。
3-2. 安全管理・イレギュラー対応の必要性
運転は車両を「走らせる」だけではありません。
点検や点呼、事故対応など安全管理もセットで考える必要があります。
自動運転は主に車両操作を担いますが、事故やイレギュラーへの対応までAIが担うわけではありません。
事故やイレギュラー発生時の一次対応や連絡・誘導などは、実務として残り続けるでしょう。
3-3. 接客・信頼・責任という人間価値
自動運転が普及しても、これまで通り「人間価値」は残ります。
バスやタクシー、役員運転手では、安全に加えて安心(接遇)面が価値となります。
顧客対応などのサービスは、自動運転でも代替が効かない領域です。
トラック運転手も同様で、運転以外のスキルが大きな武器になります。
丁寧な受け渡しや柔軟な現場の調整などができれば、荷主の満足度アップにつながるでしょう。
自動運転の普及が進むほど、接客や信頼など人間価値の重要性は高まると考えられます。
また、最後は人が責任を持つという役割もあるため、運転手の仕事がなくなるわけではありません。
4. 【種類別】運転手の現状と将来性
一口に運転手といっても、タクシーやバス、トラックなど種類は多岐にわたります。
ここでは、運転手の種類別に現状と将来性を整理し、どの分野に需要が残りやすいのかを解説します。
4-1. タクシー運転手
日本では高齢化が進んでいる一方、都市部を中心に若年層の車離れも起きています。
また、コロナ禍以降はインバウンドも活況で、外国人観光客のタクシーの需要も増えています。
このような状況から、タクシーの重要性は年々高まっているのが実情です。
今後は自動運転の技術開発が進み、タクシーの自動化が広まる可能性はあります。
しかし完全自動運転には程遠く、実用化はまだ先の話です。
タクシーの需要は底堅く、運転手の仕事がすぐなくなる心配はありません。
また、完全自動運転が実現しても、接客接遇面で差別化が進むと考えられます。
4-2. バス運転手
バスの運転手は、全国的な人手不足が課題になっています。
人手不足に起因する減便など、サービス面にも影響が及んでいる地域も少なくありません。
このような状況から、自動運転は人手不足の解消手段として期待されています。
ただし、バスの自動運転実用化はハードルが高く、安全性の確保やサービスレベルの維持などの課題も少なくありません。
仮に実用化できた場合でも、地域やルート限定で導入される可能性があります。
自動運転が実用化すれば、バス運転手の必要数も減ると考えられます。
しかし、自動運転に完全に置き換わる可能性は低いでしょう。
4-3. トラック運転手
トラック運転手も人手不足が深刻です。
自動運転は人手不足の解消手段として注目されており、特に隊列走行の研究開発が進んでいます。
自動運転による隊列走行は、先頭車両を運転手が操作し、後続車両を自動運転とする方式が検討されています。
仮に実用化できた場合は人手不足が緩和され、必要な運転手の数も減るでしょう。
一方、システムの研究やインフラ整備など課題も少なくありません。
運転手の責任範囲など、法律面の整備などは追いついていないのが実情です。
現実的に自動運転を実用化するには、多くの課題が残っており、近い将来にトラック運転手の仕事がなくなる心配はありません。
5. 将来性ある運転手になるためのポイント
運転手として将来性に不安を感じている場合でも、今から行動することで長く働ける可能性は十分にあります。
ここでは、将来性のある運転手になるために意識したいポイントを解説します。
5-1. 接客力・コミュニケーション力を高める
自動運転は、運転操作を自動化するための技術です。
対人業務は自動化されないため、乗客・顧客対応はこれまで通り必要になります。
自動運転が実用化された場合も、接客力・コミュニケーション力の重要性は変わりません。
これらのスキルを磨けば、クレームなどのトラブルを抑え、サービスの質の向上に貢献可能です。
そのため、接客力・コミュニケーション力を高めれば、運転技術以外の部分での差別化ができるでしょう。
接客力やコミュニケーション力は、研修やeラーニング、講座などで学べます。
接客やマナー研修を実施している会社も多いため、一度上司に相談してみるのもよいでしょう。
5-2. ITを使いこなすスキルを身につける
近年は車両管理や運行管理において、ITツール・システムが多用されています。
将来的には自動運転の普及に合わせ、さらに業務のデジタル化が進むでしょう。
業務のデジタル化に伴って、ITシステム・ツールを使いこなすスキルの重要性が高まります。
運転手にとっても他人事ではなく、今後はツールを使う場面も増えてくるでしょう。
ツールを使いこなすためには、ITに関する知識を深め、技術を柔軟に受け入れる姿勢が求められます。
ITスキルは、研修や資格取得を通じて磨くことが可能です。
会社にIT関連の研修や講座がある場合、受講してみるのもよいでしょう。
5-3. 運行管理スキルを磨く
自動運転が普及すると、運転よりも管理業務の重要性が高まります。
たとえば、自動運転中の車両の監視や、運行ルートを管理する業務などです。
運転以外の業務にも興味がある場合、運行管理スキルを磨くことも一つの選択肢です。
運転手の仕事で身につけた判断力や問題解決能力を活かせるほか、対応できる業務の幅が広がります。
運行管理スキルを磨く場合は、運行管理者の資格を取得するとよいでしょう。
また、運転手から内勤へと変更し、業務を通じて知識・スキルを磨く手段もあります。
5-4. 資格を取得する
資格の取得も自分の価値を高める手段の一つです。
運転手向けの資格には、運行管理者・フォークリフト・大型免許などがあります。
各資格を取得するメリットや取得条件、取得の流れを表にまとめました。
| 資格名称 | 取得のメリット | 取得条件 | 取得方法 |
| 運行管理者 | 運行管理の仕事に携われるようになる | ・運行管理の実務経験1年以上
・または所定の基礎講習を受講 |
運行管理者試験に合格 |
| フォークリフト | トラック運転手の場合、荷役にも携われるようになる | ・特になし(公道を走行する場合は大型特殊免許が必要) | 事業所や教育機関で実施される学科試験・技能試験に合格 |
| 大型免許 | 運転可能な車両の幅が広がる | ・21歳以上で普通免許などを3年以上保有(※)
・19歳以上で普通免許などを1年以上保有、かつ特別な教習を修了(※) |
・自動車教習所で取得
・または運転免許試験場で受験 |
資格を取得する際は、費用と時間がかかる点に注意が必要です。
取得を目指す方は、上司や担当部署に相談してみるのもよいでしょう。
6. 将来性のある運転手の仕事・職種
運転手の仕事の中には、自動運転が普及しても代替されにくく、将来性が高い職種があります。
将来を見据えて働き方を考えたい方は、以下のような職種も選択肢に入れるとよいでしょう。
6-1. 運行管理者
運行管理者は、車両管理や安全管理などを担う職種です。
バスやタクシー、トラックの運行会社では、事業所ごとに運行管理者の設置が義務付けられています。
運行管理者の主な仕事内容は次のとおりです。
- 運転手の点呼・アルコールチェック
- 運転手の労働時間管理
- 車両の点検や割り当て
- 運行スケジュール・ルート管理
- 事故・トラブル対応
運転手の点呼から事故対応まで、仕事内容は多岐にわたります。
運行管理者はさまざまな業務をこなすため、以下のような幅広いスキルが求められます。
- コミュニケーション力
- マネジメント力
- 判断力と臨機応変な対応力
- 法令に関する意識
- 責任感
自動運転の普及後も、車両・安全管理を担う運行管理者の役割は変わりません。
今後も引き続き需要のある職種です。
6-2. 軽貨物ドライバー
軽貨物ドライバーは、主に小型で軽量な荷物を個人や法人に届ける職種です。
ECの普及に伴い荷物は小口化が進んでおり、軽貨物ドライバーには根強い需要があります。
軽貨物ドライバーの働き方は、正社員と業務委託に分けられます。
本業の合間に副業として始めたり、独立開業したりすることも可能です。
ただし、コミュニケーション力や臨機応変な対応力が求められます。
自動運転が実用化されても、顧客に荷物を届ける役割は運転手が担います。
状況に応じた顧客対応も必要なため、人ならではの柔軟性を発揮できる軽貨物ドライバーは将来性のある仕事です。
6-3. 役員運転手
役員運転手は、企業の役員や社長、重要な顧客などを目的地まで送迎する職種です。
車両の運転だけでなく、一人ひとりに合わせて空調を調整するなど、きめ細かな対応も行います。
役員運転手の主な仕事内容は次のとおりです。
- 役員や社長の送迎
- 乗客の接遇
- 車両の点検・清掃
- 適切なルートの選定
さらに、物品の購入代行やお土産の準備などの補助業務を任される場合もあります。
役員運転手に求められるスキルは次のとおりです。
- ビジネスマナー
- コミュニケーション力
- 安全運転への高い意識
- 臨機応変な対応力
- スケジュール管理能力
求められるスキルは多い一方、以下のようなメリットがあり、バスやタクシー運転手からのステップアップにも最適です。
- 年収水準が高い
- 仕事を通して運転技術を高められる
- さまざまな車を運転できる場合もある
役員運転手は根強い需要があり、年収も比較的安定しています。
また、役員対応など対人業務が多いため、自動運転では代替がきかない点も魅力です。
7. まとめ
運転手の将来性は、自動運転の普及によって不安視されがちですが、仕事そのものがなくなる可能性は低いといえます。
今後は運転操作だけでなく、安全管理・接客・運行管理など人にしか担えない役割がより重視されるでしょう。
将来性を高めるためには、接客力やITスキルを身につけたり、運行管理者や役員運転手などの職種に挑戦したりすることが有効です。
自分の強みを活かしながら、長く安定して働ける道を選びましょう。
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