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夜行バスドライバーの仕事まるわかり!年収・きつさ・なり方まで徹底解説

夜行バスドライバーの仕事まるわかり!年収・きつさ・なり方まで徹底解説

「夜行バスのドライバーの仕事ってどんな内容?」

「長距離運転は大変そうだけど、やりがいはあるのだろうか?」

 

上記のような悩みを抱えている方もいるでしょう。

夜行バスは基本、夜に働くことになったり、長距離の運転だったりすることから、きつさを感じることがあるかもしれません。

 

しかし、実際は夜行バスドライバーだからこそ得られる、やりがいやメリットが多い仕事でもあります。

 

この記事では、夜行バスドライバーの仕事内容や収入の目安、必要な資格などの情報を徹底的にまとめました。

ぜひ参考にして、自分に合っているかを判断してください。

 

 

1.夜行バスドライバーの仕事内容とは?安全運行を支える業務と1日

 

夜行バスドライバーは、乗客を安全かつ快適に目的地へ送り届けることが仕事です。

そのために必要な業務は運転だけに留まらず、車両点検、乗客対応、運行記録と多岐にわたります。

 

ここでは夜行バスドライバーの仕事内容やスケジュールの例、乗務体制などについてまとめました。

 

1-1.主な業務内容一覧

 

夜行バスドライバーの職務は、安全な旅客輸送を多角的に支える専門性の高い業務で構成されます。

 

主要な責務は、長距離・夜間の運転です。

高速道路から一般道まで多様な状況に対応する高度な技術と持続的な集中力が不可欠となります。

 

また、乗客の安全確保のため、始業前と終業後に行う車両の徹底点検も重要です。

エンジンやブレーキ、タイヤなどの走行機能に加え、車内設備まで厳格にチェックを実施します。

 

乗客への丁寧な対応が求められる場面も多く、乗降時の案内や手荷物の取り扱い、車内アナウンスなどもドライバーの業務です。

 

さらに、日々の運行に関する正確な記録作成と報告も欠かせません。

運行日報の記入や、走行時間・速度を記録する装置であるタコグラフの管理は、安全管理および労務管理の基礎を形成します。

 

1-2.ある夜行バスドライバーの1日のスケジュール例

 

夜行バスドライバーの勤務は、日中業務とは異なる特有の手順で進行します。

 

まず出勤後、運行管理者による点呼で運行指示を確認し、厳格なアルコールチェックを受ける必要があります。

問題がなければ、担当車両の始業前点検を丁寧に行い、安全確認後に乗客を乗せ目的地へ出発する流れです。

 

運行中は法令に基づき、適切なタイミングで休憩や仮眠を取得します。

この乗務中の休憩・仮眠は、安全運行を維持するための重要な義務です。

 

目的地到着後は車内清掃、忘れ物確認、車両の終業後点検を実施し、営業所へ帰ります。

最後に運行管理者へ終業点呼と運行報告を行い、一日の業務が完了となります。

 

1-3.乗務体制と休憩・仮眠の実際

 

夜行バスの乗務体制は、運転手1名によるワンマン運行と、運転手2名体制のツーマン運行の2つです。

 

ワンマン運行の場合、法令で定められた連続運転時間および休憩時間が厳格に守られます。

長距離路線では、途中の営業所などで十分な仮眠を取得することが不可欠です。

 

一方、ツーマン運行では、2名の運転手が交代で運転業務を担当します。

一方が運転中、もう一方は車両内の仮眠スペースで仮眠や休憩を取ります。

 

どちらの運行体制においても、運転手同士の円滑な連携と質の高い仮眠を確保する工夫が重要です。

多くのバス会社では、営業所に個室やシャワーなどを備えた休憩・仮眠施設を設け、運転手の休息をサポートしています。

 

2. 夜行バスドライバーの年収・給与・待遇は?

 

夜行バスドライバーの年収は多くの人が関心を持つ点であり、生活設計にも関わるでしょう。

収入や待遇は、勤務する地域、会社の規模、経験、保有資格など多様な要素で変動します。

 

ここではその経済的な側面を詳しく見ていきましょう。

 

2-1.平均年収の目安 

 

夜行バスドライバーの平均年収は、400万円から550万円程度が目安とされます。

ただし、勤務地域や企業規模により変動し、都市部では高くなりやすい傾向です。

 

大手企業の場合、基本給が高く手当や賞与も充実しているため、年収に反映されやすいでしょう。

中小企業でも、収益性の高い特定路線を担当したり、歩合給の比率が高かったりすれば、高収入を得ることも可能です。

 

さらに、実務経験を積むことや、運行管理者(バスの安全運行を管理する資格)などの資格を取得することは、収入アップにつながる重要な要素となります。

 

2-2.給与体系の内訳

 

夜行バスドライバーの給与は、月給制を基本とし、多様な手当が加算される形態が一般的です。

基本給は経験や勤続に応じて昇給する場合が多く、企業によっては歩合給の要素も取り入れられています。

 

夜間勤務が主体のため深夜手当は重要な構成要素となり、そのほかにも以下のような手当が会社の規定に基づいて支給されます。

 

・残業手当

・無事故手当

・長距離手当

・資格手当

・家族手当

 

賞与(ボーナス)は年に1~2回支給されるのが通例で、会社の業績や個人評価によって変動するでしょう。

 

2-3.福利厚生と休日

 

安心して長く勤務するためには、福利厚生や休日制度の充実度が非常に重要です。

多くの大手企業では退職金制度や慶弔見舞金制度が整い、遠方からの就職者向けに社員寮や住宅手当を設ける企業も存在します。

 

年間休日数は企業により異なりますが、100日以上が一般的であり、有給休暇を計画的に取得可能です。

 

さらに運転手の健康は何よりも大切であり、定期的な健康診断に加え、ストレスチェックなどメンタルヘルスケアに注力する企業も増えています。

 

3.夜行バスドライバーは「きつい」って本当?仕事の大変さとやりがい

 

夜行バスのドライバーには「きつい」といったイメージを持つ人がいるかもしれません。

ここでは「なぜきついといわれるのか?」と合わせて、夜行バスのドライバーならではのやりがいと魅力をご紹介します。

 

3-1.体力的・精神的な負担

 

夜行バスドライバーの仕事には、特有の厳しさがあります。

まず、長時間の運転に伴う肉体的疲労と集中力の維持は避けられません。

肩こりや腰痛に加え、精神的な疲労も伴います。

 

また、夜間勤務を中心とした不規則な生活リズは、体調管理を難しくする要因です。

ほかの職種と比較すると、より質の高い睡眠の確保や日頃の健康管理が求められる場面もあるでしょう。

 

さらに、悪天候や予期せぬ交通渋滞・車両トラブルなど、常にさまざまなリスクとプレッシャーの中で業務を遂行しなければなりません。

そして何よりも、乗客の命を預かるという重い責任感と、常に安全を意識する緊張感が伴います。

 

これらが総合的に関係し、夜行バスドライバーはきつい仕事と考えられがちなのです。

 

3-2.夜行バスドライバーならではのやりがいと魅力

 

夜行バスドライバーならではの大変さがある一方で、ほかでは得られない魅力があるのも事実です。

 

まず、多くの人々の移動を支え、社会に貢献しているという実感は大きなやりがいになるかもしれません。

乗客を無事に目的地へ送り届けた時の達成感や、乗客からの感謝の言葉は日々の励みとなるでしょう。

 

バスの運転手に憧れを抱く人もいますが、その背景にはプロの運転技術を磨き、発揮できる喜びがあります。

また、担当する路線によっては、日本各地を訪れることも可能です。

 

専門職として働きたい人や、旅行や観光などで遠出するのが好きな人であれば、夜行バスドライバーとして無理なく働ける可能性があります。

 

4.夜行バスドライバーに必要な資格と未経験からのキャリアパス

 

夜行バスドライバーとして活躍するためには、資格の取得が必要です。

ここでは、必須となる資格や未経験からプロになるための一般的な道のり、そして求められるスキルを解説します。

 

4-1.必須資格「大型自動車第二種運転免許」とは?取得方法と難易度

 

旅客を乗せてバスを運転するには「大型自動車第二種運転免許(大型二種免許)」が必要です。

満21歳以上で普通免許などを取得してから「通算3年以上」経過していることが主な取得条件となります。

 

取得方法は指定自動車教習所に通うのが一般的で、期間は数週間から数ヶ月です。

 

費用は20万円~50万円程度が目安となりますが、バス会社によっては、入社後にこの免許取得費用を支援する制度を設けている場合もあります。

 

4-2.未経験でも大丈夫?バス会社の手厚い研修・サポート体制

 

夜行バスドライバーは、未経験からでも目指せます。

 

近年、バス業界ではドライバー不足から未経験者を積極的に採用するケースが多いです。

入社後に社内で育成してもらえるため、未経験でも安心してチャレンジできるでしょう。

 

研修の内容は、安全運転の知識や法令、接客マナーなどを学ぶ座学研修から始まります。

その後、指導員のもとでの運転実技研修、実際の営業路線での添乗指導を経て独り立ちとなる流れです。

 

研修期間は通常1ヶ月~3ヶ月程度ですが、独り立ち後も継続的なフォローアップ体制が整っていれば、より安心でしょう。

 

4-3.経験者も注目!求められるスキルとキャリアアップ

 

夜行バスドライバーは、トラックドライバーをはじめとする運転職からの転職者も多く活躍しています。

長距離運転の経験や車両感覚がある分、業務自体は違和感なく始められるかもしれません。

 

しかし、旅客輸送ならではの注意点や接客スキルは新たに学ぶ必要があります。

求められるのは高い運転技術だけではなく、コミュニケーション力や危機管理能力、接客スキルなどです。

 

もし運転職を経験している人が転職するのであれば、研修制度の質に注目して選ぶとよいでしょう。

 

5.夜行バスドライバーに求められる適性とは?活躍できる人の5つの特徴

 

夜行バスドライバーは、乗客の安全と快適な移動を担う専門性の高い職業です。

活躍するためには、特定の資質や能力が求められます。

 

ここでは、夜行バスドライバーとして成功するために重要となる5つの特徴をまとめました。

 

5-1.強い責任感と使命感

 

夜行バスドライバーにとって最も根幹となるのは、乗客の命を預かるという強い責任感と、安全に目的地まで送り届けるという使命感です。

 

いかなる状況でも安全運行を最優先し、天候の急変や交通状況の変化にも冷静かつ的確に対応できるプロ意識が求められます。

 

5-2.体力と持続的な集中力

 

長時間の夜間運転は心身ともにエネルギーを要するため、一定以上の体力と、それを支える持続的な集中力が不可欠です。

 

日頃の健康管理はもちろん、運転中に注意散漫にならない精神力も重要となります。

 

5-3.冷静な判断力と精神的な強さ

 

運転中には予期せぬトラブルも起こり得ます。

 

車両故障や乗客の急病、大幅な遅延などの事態に直面してもパニックにならず、状況を素早く把握し冷静に最善の判断を下せる精神的な強さが求められます。

 

5-4.高度な自己管理能力

 

夜間勤務や不規則なシフトに対応するため、自身の睡眠、食事、体調を適切に管理する高度な自己管理能力が不可欠です。

 

常に最高のコンディションで乗務に臨むための意識が重要となります。

 

5-5.優れたコミュニケーション能力

 

運転技術だけでなく、乗客や他のスタッフと円滑なコミュニケーションを取る能力も必要です。

乗客への丁寧な案内や対応、ツーマン運行時の相方ドライバーや運行管理者との的確な情報伝達と連携が、安全運行を支えます。

 

これらの特徴は、持って生まれた才能だけでなく、プロとして安全とサービスを提供するために、日々の業務や研修を通じて意識的に高めていくべきスキルです。

 

6.失敗しない!夜行バスドライバーとして働く会社の選び方のポイント

 

夜行バスドライバーとして長く安心してキャリアを築くためには、会社選びが非常に重要です。

給与や休日だけでなく、企業の安全への姿勢や働く環境をしっかり見極めましょう。

 

6-1.企業の安全管理体制と法令遵守の姿勢を見極める

 

最優先すべきは、会社がどれだけ安全に対して真摯に取り組んでいるかです。

 

運輸安全マネジメントに基づき、具体的な安全目標や計画を立て実行しているか、衝突被害軽減ブレーキなど、先進安全装置を搭載した車両を導入しているかなどをチェックしてみましょう。

 

そして何より、ドライバーに無理のない運行スケジュールを組み、休憩・休息時間を確実に確保しているかの確認も重要です。

 

定期的な安全教育やヒヤリハット情報の共有体制も整っていれば、安全管理体制や法令遵守の姿勢は問題ないと考えられます。

 

6-2.研修・教育制度の充実度をチェック

 

特に未経験からスタートする場合、研修制度の充実度はその後のキャリアを大きく左右します。

 

未経験者に対する初期研修の期間と内容、経験者向けのスキルアップ研修の有無、運行管理者などの資格取得支援制度を確認しましょう。

 

また、指導員の質や相談しやすいサポート体制が整っているかも重要です。

制度が充実していても、これらの部分がずさんだと、成長にはつながりません。

 

6-3.労働条件・福利厚生・社風を確認する

 

長く働き続けるためには、労働条件や福利厚生、職場の雰囲気も大切です。

 

基本給や手当の内訳が明確か、サービス残業がなく残業代が適正に支払われるか、十分な休日が確保され有給休暇も取得しやすいかなどをまずはチェックしましょう。

 

問題がなければ、次に車両整備や仮眠施設の質はどうか、そして職場の人間関係や風通しがよいかなどを確認します。

 

もしすでに働いているドライバーに話を聞ける環境があるなら、積極的に活用してください。

 

7.まとめ

 

この記事では、夜行バスドライバーの具体的な仕事内容から、年収・待遇、仕事の厳しさとやりがい、必要な資格や求められる適性などを解説しました。

 

夜行バスドライバーは、乗客の安全を守り快適な移動を提供するという大きな責任を伴います。

それと同時に社会を支える重要な役割を担い、専門的なスキルを活かせる誇り高い仕事です。

 

業務には厳しい側面も存在しますが、プロフェッショナルとして求められる強い責任感や自己管理能力などの資質を理解し、日々成長していくことが大切となります。

未経験からこの分野に挑戦する場合でも、充実した研修制度や安全管理体制の整った企業を選ぶことで、安心してプロのドライバーを目指すことが可能です。

 

また、適切な企業選びは、自身のキャリアを大きく左右するうえでも重要な要素となります。

本記事で紹介している内容が、夜行バスドライバーという職業への理解を深め、今後の検討の一助となれば幸いです。