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ロボタクシーはいつから利用できる?世界各国の導入状況や問題点を解説

ロボタクシーはいつから利用できる?世界各国の導入状況や問題点を解説

ロボタクシーは、その名の通り運転手を必要としないタクシーです。

すでにアメリカや中国の一部では実用化されており、日本でも2026年初めのサービス開始が予定されています。

 

本記事では、ロボタクシーの概要や開発を進めているサービス、世界各国の運用状況についてまとめました。

ロボタクシーの問題点や日本での運用見込みもまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

 

1. ロボタクシーとは?

 

ロボタクシーとは、通常のタクシーサービスとは異なり、運転手のいない状態で自動運転をするタクシーのことです。

近年ではテクノロジーの進化とともに、タクシーの自動化が実現されようとしています。

 

1-1. ロボタクシーの概要

 

ロボタクシーとは、運転手を必要とせず、無人走行が可能なタクシーのことです。

自動運転レベル4(高度運転自動化)以上の完全な自動運転技術により実現されます。

 

自動運転レベル4とは、システムがすべてのタスクを担い、作動継続が困難な場合も対応するものです。

システムに不具合が発生した際に、スピーディかつ安全に停止する機能も備えています。

 

通常のタクシーと同様にスマートフォンのタクシー配車アプリを使って呼び出し、目的地に移動した後にスマホで決済処理を行うという流れです。

サービス内容自体はほぼ変わらずに運転手の人件費を抑えられるため、低料金でのサービス提供に期待できるでしょう。

 

1-2. ロボタクシーのメカニズム

 

ロボタクシーは、通常のタクシードライバーに代わり、走行エリアを詳細にマッピングした高精度な地図を基にして運行します。

走行中は、車載カメラやセンサーで得た情報と地図データを照らし合わせ、自らの位置を正確に把握する仕組みです。

 

V2I(路車間協調システム)によってGPSデータや過去の乗車履歴・リアルタイムの交通情報などを収集します。

高度なデータ解析に基づいて安全かつスムーズな運転を実現可能です。

 

通常のタクシーは、ドライバーの経験や勘によって、客待ち場所や効率的なルートを選定してきました。

しかし、ロボタクシーはデータ解析により乗客の需要を予測して、最適なルートを自動で選定するのもメリットです。

 

2. ロボタクシーの開発を進めているサービス

 

ロボタクシーの開発を進めているサービスを5つ紹介します。

 

サービス名 関連会社 運用状況 備考
Waymo Google ・ロサンゼルス、フェニックス、サンフランシスコ、アトランタ、オースティンで運用中 ・ロボタクシーの先駆け

・日本進出を狙っている

テスラ ・オースティンでサービス開始

・助手席に安全監視員が乗っている

・各種センサーを使用せずカメラのみを使用

・安全面で懸念されている

Zoox Amazon ・ラスベガス、サンフランシスコ、シアトル、オースティン、マイアミなどサービスインを計画中 ・Waymoと同様に自動車タクシー最前線を走る企業

・双方向デザインでUターンやバックを行わない仕様

Pony.ai トヨタが出資 ・北京、広州、深圳でテスト営業開始 ・中国のロボタクシーサービスを牽引

・中国政府と連携を強化して成長

ティアフォー トヨタなどが出資 ・お台場と西新宿でテスト実施

・塩尻市で一定区間の認可を取得(自動運転バス)

・Autowareの開発を先導する企業

・日本での本格的な自動運転の社会実装を目指している

 

すでに運用が開始している企業やテスト段階の企業、開発段階の企業などさまざまですが、多くの企業が参入しています。

今後も開発が進み、更なるテクノロジーの進化に期待できるでしょう。

 

3. 世界各国のロボタクシー導入状況

 

ここからは、世界各国のロボタクシー導入状況を紹介します。

なお、アメリカや中国では、すでに運用されているものの、それ以外の地域では商用運用には至っていません。

 

3-1. アメリカ

 

アメリカは、ロボタクシーの導入が進んでいます。

Google系企業の「Waymo」が2018年12月にアリゾナ州フェニックスでサービスを開始しました。

 

そのほか、Amazon傘下の「Zoox」も参入しており、テスラも2025年6月にサービスを開始しています。

緊急停止や事故など、まだまだ課題はあるものの、アメリカ国内では今後もサービスの拡大が見込めるでしょう。

 

3-2. 中国

 

中国は、アメリカに次ぐロボタクシーの先進国です。

2025年6月現在、テスト運行をしている状態ではあるものの、徐々にサービスエリアが拡大しています。

 

Pony.aiをはじめ、Baidu、WeRideといったサービスがロボタクシー開発に参入しており、多くの企業が中東進出も表明しています。

 

3-3. ドイツ

 

ドイツでは、フォルクスワーゲンがハンブルクで試験運転を行い、徐々に開発が進んでいます。

 

そもそも欧州各国では、規制の多様性がロボタクシー導入の大きな障害です。

これは欧州の道路の作りが関係しており、狭く規則性に欠ける道路は自動運転システムに負担をかける可能性があります。

 

導入が難しい状況ではありますが、中国のBaiduがスイスにロボタクシーを導入予定です。

この導入を皮切りに、ヨーロッパのロボタクシー導入が拡大する可能性があります。

 

4. 日本ではいつからロボタクシーが運用される?

 

日本では、ロボタクシーの運用が2026年以降となる見込みです。

2025年を目途に50ヶ所で自動運転サービスを実現する目標が掲げられ、運用に向けた試験運転が始まっています。

 

バスに関しては自動運転実用化に向けた取り組みが加速していますが、現状ロボタクシーは後れを取っているといえるでしょう。

 

そんな中、ホンダが2026年の初めにサービス開始予定と発表しました。

GM・クルーズ・ホンダで、サービス提供を担う合弁会社の設立に向けた基本合意書を締結したようです。

 

ただし、正式な提供元や詳細なサービス内容は確定していないため、今後の動向を注視する必要があります。

 

5. ロボタクシーの問題点

 

ロボタクシーはアメリカなどで徐々に導入されていますが、さまざまな問題点が挙げられます。

ここではどのような問題があるのか、詳しく見ていきましょう。

 

5-1. 事故が起きる可能性がある

 

ロボタクシーは、自動運転による事故のリスクが懸念されています。

ロボタクシー運行システムは「安全面では依然として人間による遠隔監視が必要」とされており、必ずしも安全を保証されていないのが現状です。

 

実際に、2023年10月にクルーズのロボタクシーが絡んだ死亡事故が発生しています。

また、2025年5月にも、Zooxのロボタクシーが電動スクーターの運転手と接触したケースも見られました。

 

通常のタクシーにも事故リスクはありますが、ロボタクシーの場合、特にシステム故障や予期せぬ状況への対応能力が課題となります。

そのため現状では、人間の監視・介入が不可欠で、安全性の確保にはさらなる改善が求められています。

 

5-2. 運用コストが予想以上に高くなっている

 

ロボタクシーの運用コストは、予想以上に高くなっています。

本来、ロボタクシーは通常のタクシーで必要な「人件費」を必要としないため、運用コストを下げて低価格で提供できるとされていました。

 

しかし現段階では、走行中の人間による遠隔監視が必要となり、通常のタクシーよりもはるかにコストがかかる状態となっています。

今後テクノロジーの進化により、コストダウンを行えるかどうかが気になるところです。

 

5-3. トラブル発生時は人間によるサポートが必要

 

ロボタクシーは、トラブルによって停止すると、再度自動で動き出すことはできません。

人間によるサポートがなければ動き出せないのは、問題点といえるでしょう。

 

安全のために停車したロボタクシーは、交通を妨げるかもしれません。

停車位置の考慮や遠隔による再起動など、ロボタクシーにはさらなる進化が求められるでしょう。

 

6. まとめ

 

ロボタクシーは、運転手を必要としないタクシーのことです。

カメラやセンサーを活用して現在地を特定し、地図データと照らし合わせながら利用者を目的地まで送迎します。

 

従来のタクシーでかかっていた運転手の人件費を削減できるため、低料金化に期待できるでしょう。

一方でまだまだ普及が進んでいないことに加えて、課題点があるのも事実です。

 

日本では2026年にサービス開始が予定されているため、今後の動向にも注目していきましょう。