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タクシーの隔日勤務とは?メリットから向いている人まで解説

タクシーの隔日勤務とは?メリットから向いている人まで解説

隔日勤務って実際どんな働き方なの?

タクシー運転手への転職を考えているあなたは、こんな疑問を抱いていませんか。

 

隔日勤務とは、1回16時間以上働いて翌日は休みという特殊な勤務形態です。

月の出勤日数は11~13日と少なく、連休も取りやすいのが大きな特徴です。

ただし、長時間労働や生活リズムの変化など、事前に理解しておくべき注意点もあります。

 

この記事では、タクシーの隔日勤務について、具体的な働き方からメリット・デメリット、向いている人の特徴まで詳しく解説します。

 

1. タクシーの隔日勤務とは?

 

隔日勤務とは、その名の通り1日おきに勤務するスケジュールのことです。

通常の会社員が毎日8時間働くのに対し、タクシードライバーの隔日勤務では2日分の労働時間を1日にまとめて働きます。

タクシー業界では隔勤(かっきん)と呼ばれる勤務形態です。

 

1回の勤務時間は最大で21時間となり、これには運転時間だけでなく、休憩時間も3時間程度含まれています。

そのため、実際の勤務時間は15〜18時間程度です。

タクシー会社は24時間営業のことが多いため、朝から翌未明までの勤務や午後から翌朝までの勤務など、さまざまなパターンがあります。

 

歓楽街の近くでは午後からの勤務が多かったり、病院近くでは早朝からの勤務が多かったりなど、エリアの特性によっても勤務パターンが変わることがあります。

勤務日の翌日は休日になるため、月間の出勤日数は通常11~13日程度で、一般的な会社員の出勤日数(月20日前後)と比べると大幅に少ない出勤です。

この働き方は、タクシー業界特有の労働形態として多くの会社で採用されています。

 

1-1. タクシー運転手の隔日勤務の一日の流れ

 

タクシー運転手の隔日勤務の具体的な一日の流れは以下の通りです。

 

出勤(7~8時頃) 営業所に出勤し、車両点検やアルコールチェックを行います。

事前に車の点検を行い、運行に必要な準備を整えます。

午前中の営業(8~12時頃) 通勤ラッシュの時間帯を狙って、都心部や駅周辺で営業します。

ビジネス客の需要が高い時間帯のため、効率よく売上を伸ばせる時間です。

昼食(13時頃) 午後に向けて昼食をとります。

営業所によっては社員食堂を備えているところもあるため、一度営業所に戻ってくることもあります。

昼間の営業(12~17時頃) 移動するビジネスマンや無線配車を狙って営業を続けます。

この時間帯は比較的客足が落ち着くため、休憩を取るドライバーも多くいます。

夕方~夜間の営業(17~22時頃) 帰宅ラッシュや飲み会需要により、一日で最も忙しい時間帯です。

繁華街やオフィス街などの需要が高いエリアを中心に待機します。

仮眠・休憩(22時頃) 営業所や指定の休憩場所で2~3の仮眠を取ります。

この休憩は法律で義務付けられており、安全運転のために必要不可欠です。

深夜の営業(22時〜26時) 終電を逃した乗客をターゲットに営業を行います。

深夜料金が適用される22時以降は、売上アップの重要な時間となります。

退勤(26〜27時頃) 1回の勤務での拘束時間は、点呼や精算なども含めて原則21時間以内です。

売上の精算や車両の清掃を行って退勤となります。

翌出勤日に備えてゆっくり寝たり休んだりしましょう。

 

上記はあくまでも一例ですので、働くことを希望する場合はタクシー会社へ問い合わせてみてください。

 

2. タクシーの隔日勤務のメリット

 

タクシーの隔日勤務には多くのメリットがあります。

特に、働き方の自由度や収入面での利点が大きいのが特徴です。

 

ここでは隔日勤務ならではのメリットを3つ紹介します。

2-1. 休日が多く連休が取りやすい

 

隔日勤務の最大のメリットは、休日の多さです。

2日分の仕事を1日で行うイメージのため、月の出勤日数が11~13日程度と非常に少なくなります。

一般的な会社員の出勤日数が月20日前後であることを考えると、約半分の出勤日数で済むことになります。

 

休日が多いため、連休も取りやすくプライベートを充実させやすいのが特徴です。

多くのタクシー会社では、月に2回程度の3連休を取得することも可能で、旅行や趣味の時間を十分に確保できます。

家族との時間を大切にしたい方や、副業に時間を使いたい方にとって非常に魅力的な働き方といえるでしょう。

 

2-2. 効率よく稼ぎやすい

 

隔日勤務では深夜料金があるため、日中よりも効率的に稼ぐことが可能です。

22時から翌朝5時までは深夜割増料金が適用され、通常料金の20%増しとなります。

時間帯に応じて待機場所を工夫することで、効率よく売上を上げられるでしょう。

 

例えば、深夜帯は繁華街や終電駅周辺で待機して、飲み会帰りのサラリーマンをターゲットにするケースが多くあります。

また、早朝は空港や新幹線駅周辺で待機して、旅行や出張の人をターゲットにすることで、効率よく顧客を獲得しやすくなります。

 

さらに一回の勤務時間が長いため、移動中の空車時間を有効活用して売上を最大化することも可能です。

経験を積むことで、どの時間帯にどのエリアで営業すれば効率が良いかが分かるようになり、月収アップにつながります。

 

2-3. 残業が少ない

 

隔日勤務では、1ヶ月262時間以内、1乗務で21時間以内と法律で決められているため、残業は比較的少なめです。

労働基準法により、タクシードライバーの連続勤務時間には上限が設けられており、これを超えての勤務は禁止されています。

 

売上を伸ばしたい場合は、個人の判断で時間内での効率化を図ることは可能ですが、長時間労働による過労を防ぐ仕組みが整っています。

一般的な職業でよくある「サービス残業」や「持ち帰り仕事」といった概念がないため、働いた分はしっかりと給与に反映されるのがメリットです。

時間管理がしやすく、プライベートの予定も立てやすいのは大きなメリットといえるでしょう。

 

3. タクシーの隔日勤務のデメリット

 

メリットが多い隔日勤務ですが、勤務形態の特性上、デメリットも存在します。

事前に理解しておくことで、自分に適した働き方かどうかを判断できるでしょう。

 

3-1. 拘束時間が長い

 

隔日勤務の最大のデメリットは、一回の勤務における拘束時間の長さです。

一回の勤務が20時間前後になることもあるため、相当な体力が必要となります。

 

長時間の運転は集中力の維持が困難で、慣れるまでは疲労感を強く感じる方が多いでしょう。

仮眠がうまく取れないと疲労が蓄積し、翌日の休日にも影響を与える可能性があります。

営業所の仮眠施設を活用するなど、自分に合った仮眠の取り方を見つけることが重要です。

 

また、20時間という長時間の拘束により、家族との時間が取りにくい日があることを理解しておく必要があります。

家庭を持つ人は、家族の理解も必要になるかもしれません。

 

3-2. 生活リズムに慣れが必要

 

隔日勤務では昼夜を問わず働くため、一般的な生活リズムとは大きく異なります。

昼夜逆転した生活により、規則正しい生活リズムを保つことが困難で、慣れるまでは体調を崩しやすくなる人が多いでしょう。

 

ヒトの体内時計は24時間よりも若干長いため、光を浴びることで日々調整しています。

深夜勤務で夜間に活動し、日中の明るい時間に睡眠を取る生活では体内時計にズレが生じてしまいます。

これが睡眠障害になる原因の一つです。

 

特に、勤務開始直後は、睡眠時間の調整や食事のタイミングなど、生活全体の見直しが必要です。

家族がいる場合は、家族の生活リズムとのズレにより、コミュニケーションの時間が限られることもあります。

身体が新しいリズムに慣れるまでには数ヶ月かかることが多く、この期間を乗り越える忍耐力が求められるでしょう。

 

4. タクシーの隔日勤務に向いている人

 

タクシーの隔日勤務は、長時間の拘束や昼夜逆転などがあるため、負担に感じる場合も多いです。

その反面、プライベートを充実しやすかったり、自分次第では収入アップも見込めたりする面もあります。

タクシーの隔日勤務に向いている人の特徴を紹介しますので、自分に合っているのかを判断する参考にしてみてください。

 

4-1. 体力と柔軟性のある人

 

隔日勤務には、何より体力が不可欠です。

長時間の運転に耐えられる体力と、座りっぱなしによる身体への負担に対応できる柔軟性が必要です。

昼夜逆転した生活リズムにも対応できる人が、この働き方には適しています。

また、キャリーケースなどの荷物を積み下ろしすることもあるため、力仕事が必要になることもあります。

定期的な健康診断を受け、自分の体と向き合いながら働くことが重要になってくるでしょう。

 

4-2. 一人で集中して仕事に取り組める人

 

タクシー運転手は常に一人で行う仕事のため、孤独を楽しめる人が向いています。

チームワークよりも個人の裁量で仕事を進めることが多く、自己管理能力が重要になります。

 

一人でいることが苦手な方や、常に誰かとコミュニケーションを取りながら仕事をしたい方には向かない職業かもしれません。

自己管理も一人でしっかりできることが重要で、売上目標の設定や営業エリアの選択など、すべて自分で判断する必要があります。

自立心があり、責任感を持って仕事に取り組める人にとっては、やりがいのある職業といえるでしょう。

 

4-3. 稼ぎたい人

 

深夜帯は割増料金のため、タクシーの運転手は効率的に稼ぎやすい職業です。

一回の勤務時間が長いため、短期間で効率よく稼ぎたい人に向いています。

 

歩合制の給与形態を採用している会社が多く、努力次第で収入アップが可能です。

月の半分程度の勤務日数で、一般的なサラリーマンと同等以上の収入を得ることもできるでしょう。

 

ただし、稼ぐためには効率のよい待機場所の把握や、顧客サービスの向上など、継続的な努力が必要になります。

自分の頑張り次第で収入を増やしたい方には最適な職業です。

 

4-4. 連休が欲しい人

 

勤務日数が少ないため、連休を取りたい人には理想的な働き方となります。

 

月に3連休が2回取れる企業も多く、まとまった休みを確保しやすいのが特徴です。

旅行好きの方や、趣味に時間をかけたい方にとって非常に魅力的な勤務形態といえます。

家族との時間を大切にしたい方や、副業に取り組みたい方にも適しています。

 

ただし、連休中も規則正しい生活リズムを保つことが、次の勤務への体調管理のポイントです。

休日の過ごし方も含めて、自分なりのリズムを作ることが大切です。

 

4-5. 運転が好きな人

 

長時間運転業務を行うため、そもそも運転が好きな人に向いています。

運転すること自体にストレスを感じる方には、タクシー運転手に向かないでしょう。

 

さまざまな道路状況や天候条件でも安全な運転技術が求められるため、運転技術の向上にやりがいを感じる人には最適です。

また、経験を積むことで地理に詳しくなることや、効率的なルートを見つけることに楽しさを感じる人にも向いています。

安全運転への意識が高く、責任感を持って運転できる人であることも重要な条件の一つです。

 

5. タクシーの隔日勤務に関するよくある質問

 

タクシー運転手に転職を検討している方のなかには、隔日勤務について疑問を感じる場面もあるでしょう。

ここでは、タクシーの隔日勤務でよくある質問について紹介します。

 

5-1. タクシーの隔日勤務は法的に問題ない?

 

労働基準法において労働時間は1日8時間、週40時間とされています。

 

しかし、タクシードライバーのような隔日勤務の場合、変形労働時間制が採用されています。

変形労働時間制とは、一定期間内での労働時間を平均して法定労働時間内に収める制度です。

平均して週40時間を超えないような勤務スケジュールであれば、法的に問題ありません。

 

具体的には、隔日勤務の場合は21時間以内(日勤勤務の場合は13時間以内、最大でも16時間以内)と規定されています。

各タクシー会社は、これらの法規制を遵守して勤務形態を組んでいるため、安心して働くことができます。

 

5-2. タクシーの隔日勤務の睡眠はどうする?

 

隔日勤務での睡眠管理は、慣れるまでが最も大変です。

勤務中は、休憩時間に2~3時間の仮眠を取ることが一般的です。

 

多くのタクシー会社では営業所に仮眠施設を完備しており、ドライバーが休息を取れる環境を整えています。

帰宅後の睡眠時間は6~8時間程度確保することが理想的で、次の勤務に備えて体調を整えます。

身体が慣れるまでに数ヶ月を要しますが、慣れると楽に感じる人も多い職業です。

 

睡眠の質を向上させるために、遮光カーテンや耳栓の使用、入浴での体温調節など、個人に合った工夫をすることが重要です。

休日の過ごし方も睡眠リズムに大きく影響するため、規則正しい生活を心がけることをおすすめします。

 

5-3. タクシーで隔日勤務以外の働き方は?

 

タクシードライバーには隔日勤務以外にも、昼日勤と夜日勤という働き方があります。

それぞれ特徴が異なるので、自身にあった勤務形態を探してみましょう。

 

5-3-1. 昼日勤

 

昼日勤は昼間のみの勤務で、1ヶ月に22乗務(最大26乗務)となります。

勤務時間は朝8時頃から夕方17時頃までと、一般的な会社員に近い働き方です。

 

シフト制のため希望日に休みを取ることも可能で、プライベートとの両立がしやすいのが特徴です。

女性ドライバーに人気の働き方で、子育て中の方や夜間の運転に不安を感じる方に適しています。

 

ただし、深夜割増料金が適用されないため、隔日勤務や夜日勤と比較すると収入面では劣る傾向があります。

安定した生活リズムを保ちたい方や、家族との時間を重視する方におすすめの働き方です。

 

5-3-2. 夜日勤

 

夜日勤は昼日勤とは逆に、毎日夜間のみ勤務するという働き方です。

勤務時間は夕方18時頃から翌朝3時頃までとなり、完全に夜型の生活になるでしょう。

 

深夜割増料金が発生するため、給料は上がりやすくなる傾向があります。

夜間の方が、需要が高い繁華街エリアでの営業や、終電後の帰宅需要を狙った営業が中心となります。

 

体力的には隔日勤務ほどハードではありませんが、完全な夜型生活のため生活リズムの調整が必要です。

夜間の運転に慣れている方や、昼間に他の用事がある方に適した働き方といえます。

 

6. まとめ

 

タクシーの隔日勤務は、一般的な働き方とは大きく異なる特殊な勤務形態です。

 

長時間の拘束や生活リズムの変化など、デメリットも存在しますが、休日の多さや効率的な稼ぎやすいといった多くのメリットもあります。

体力に自信があり、一人で集中して働くことを好む方、自由な時間を確保したい方には非常に適した職業といえるでしょう。

 

ただし、慣れるまでに時間がかかったり健康管理が重要になったりする働き方でもあります。

タクシードライバーへの転職を検討している方は、隔日勤務という独特な働き方を理解したうえで、自分にとって最適な勤務形態を選択していきましょう。