運転業務は派遣で依頼できる?即戦力ドライバーを確保したい方向けガイド
2025年10月21日

「早急にドライバーを確保したい」と考える方の中には「派遣で運転業務も依頼できるの?」と疑問を持っている方もいるのではないでしょうか。
運転業務は派遣での依頼が可能で、効率よく活用すれば即戦力ドライバーを早期に確保できます。
しかし、確認しておくべき法令もあり、知らずに利用すると違反になるおそれがあります。
この記事では運転業務派遣の依頼を検討している方に向けて、知っておくべき法令や派遣を利用する際に検討するポイントを紹介します。
本記事を読めば、運転業務の派遣を依頼するか判断できるので、ぜひドライバー確保の参考にしてください。
目次
1. 運転業務は派遣で依頼できる
運転業務は、労働者派遣法で派遣可能な業務として認められています。
運転手不足が嘆かれる近年は需要も高まり、多くの企業が導入しています。
ただし、概要やルール、類似するサービスとの違いについて理解しなければ、運転業務派遣を効率よく活用できません。
そこでここからは、運転業務派遣の概要、類似するサービスとの違いや法的ルールと制限について詳しく解説します。
1-1.運転業務派遣の概要
運転業務派遣とは、派遣会社に登録している運転手を必要な企業に派遣するサービスです。
宅配、配送、タクシー、ハイヤーなど幅広い車種や業務に対応しており、近年は多くの業界で活用されています。
雇用や教育の手間なくドライバーを確保できるため、企業の人材不足を柔軟に解決できるサービスです。
1-2.運転業務派遣と運行管理請負業の違い
運転業務派遣と運行管理請負業の違いを以下の表にまとめました。
| 項目 | 運転業務派遣 | 運行管理請負業 |
| 契約形態 | 派遣契約 | 請負契約 |
| 指揮命令権 | 派遣先企業 | 請負会社 |
| 契約対象 | 労働力の提供 | 業務の完成 |
| 契約期間 | 最長3年 | 上限なし |
| 責任 | 派遣元と派遣先 | 基本的に請負会社 |
運転業務派遣の契約対象は労働力の提供であり、派遣先企業の指示のもとで業務を遂行します。
また、契約期間が最長3年に定められているため、人材の教育や育成・長期雇用は望めません。
一方、運行管理請負業は、運転業務のほかに車両の管理・整備・修理・燃料などの総合管理を請け負います。
契約形態が「請負契約」のため雇用期間の上限がなく、派遣先には指揮命令権がありません。
運転業務を依頼したい場合は派遣、車両管理を含む総合的な運行管理を任せたい場合は運行管理請負業と、自社の目的に応じて選択しましょう。
1-3. 運転業務の派遣に関する法的ルールと制限
運転業務派遣を利用する場合、「労働者派遣法」を遵守しましょう。
労働者派遣法に違反すると罰則が課せられるため、法的ルールと制限を正しく理解してください。
【法的ルールと制限】
- 港湾運送業務、建設業務への派遣は禁止
- トラック運転手で以下の条件における派遣は禁止
①30日以内の日雇派遣
②2ヶ月以内の期間付き雇用
- 派遣社員が同じ職場で働けるのは最長3年
- 派遣運転手と事前に直接面接は不可
- 就業条件などの説明義務がある など
法的ルールには雇用期間や禁止事項・説明義務などが細かく設定されているため、雇用する運転手の業種により異なる対応が必要です。
2. 運転業務派遣で依頼できる業務の具体例
運転業務派遣では、多様なスキルと資格を持つ運転手に業務を任せられます。
【具体例】
- 役員運転手:企業幹部のビジネスシーンでの移動サポート
- 宅配集荷:個人宅への配送、不在時の再配達 など
企業の要望に応じて、就業条件の範囲で多彩な運転業務を依頼可能です。
3. 運転業務を派遣に依頼するメリット
運転業務派遣のメリットは以下のとおりです。
- 派遣会社で教育を受けた即戦力を確保できる
- 必要な免許や資格を保有している
- 必要なときだけ活用できる
派遣会社で教育済みの運転手を必要なだけ手配できるため、固定費をおさえながら臨機応変に人材を配置できます。
4. 運転業務を派遣に依頼するデメリット
運転業務を派遣に依頼する場合、デメリットもあります。
- 運転手のスキルや資格にばらつきがある
- 運転手の帰属意識が低い場合がある
- 派遣を繰り返すと教育の手間がかかる
派遣会社によっては教育レベルが異なり、期待するスキルを持たない場合や、帰属意識が低い運転手が派遣される可能性があります。
また、単発で利用すると都度社内ルールの説明が必要ため、運転手派遣ならではの手間がかかる点はデメリットです。
5. 運転業務の派遣を依頼する際に注意するべきポイント
運転業務の派遣を依頼する際は、以下のポイントに注意しましょう。
- 労働者派遣法で禁止されている運転業務がある
- 安全運転管理者の選定義務がある
- 運転業務派遣を依頼する前に条件を洗い出す
法的ルールには、労働派遣法の遵守や、白ナンバー車両を一定台数以上使用する事業者の安全運転管理者の選定義務があります。
また、派遣依頼前に条件を明確にしておきましょう。
- 必須条件:契約期間、業務内容、必要な運転免許・資格、利用する車両 など
- 希望条件:運転以外の付随業務、コミュニケーション能力 など
注意点の事前確認と対策を徹底すれば、安全に効率よく運転業務派遣を活用できます。
6. 運転業務の派遣を依頼する際の費用相場
厚生労働省「令和5年度 労働者派遣事業報告書の集計結果」によると、自動車運転従事者の派遣料金は1日(8時間労働)あたり平均1万7,895円で、1ヶ月20日に換算すると35万7,900円です。
ただし、業務内容や必要な免許、資格などの条件によって変動するため、依頼ごとに確認する必要があります。
そのため、派遣会社3社以上比較し、自社のニーズと予算にあった派遣会社を選びましょう。
7. 運転業務を依頼する派遣会社の選び方
派遣会社を選ぶ際のポイントは以下の3つです。
- 登録ドライバーの人数と質
- 安全管理の体制と教育研修の内容
- 緊急時の対応を含むサポート体制
ここからは、上記のポイントについて詳しく解説するので、派遣会社を選ぶ際の参考にしてください。
7-1. 1.登録ドライバーの人数と質
登録ドライバーの数が豊富で、自社が求める免許や資格を持つ人材が揃う派遣会社を選びましょう。
人数が豊富であれば、急な欠員や繁忙期でも迅速な対応が可能です。
また、運転手の質が高ければ、即戦力として業務を任せられ、事故リスクの低減にも期待できます。
【質問例】
- 何人の運転手が在籍していますか?
- ○○免許保有者は何名いますか? など
上記をチェックし、安定して質の高い人材を確保しましょう。
7-2. 2.安全管理の体制と教育研修の内容
運転業務は人命に関わる事故のリスクがあるため、安全管理体制と研修プログラムが整っている派遣会社を選びましょう。
運転業務派遣を利用する場合は、派遣先も安全に配慮しなければならないため、適切な研修を受けた運転手が派遣されると安心です。
【質問例】
- 事故が起きたときの対応フローはどうなっていますか?
- 教育研修の内容と頻度を教えてください。 など
安全管理体制と教育研修が充実している派遣会社を選び、事故リスクを最小限におさえましょう。
7-3. 3.緊急時の対応を含むサポート体制
安心して運転業務派遣を活用するためには、サポート体制が充実している派遣会社を選ぶのも効果的です。
【質問例】
- 専任の営業担当者はいますか?
- 定期訪問の頻度はどれくらいですか? など
急な欠員に対する即時対応や、事故・トラブル時の迅速な対応が被害を最小限におさえます。
緊急時の対応が迅速な派遣会社や、スムーズなやり取りができる派遣会社を利用すれば、良好な関係を築けるでしょう。
8. まとめ
運転業務派遣は、法律で認められたサービスで、企業の人材不足を柔軟に解決できる手法です。
本記事で紹介したチェックポイント参考に、必要に応じて運転業務派遣を選びましょう。
セントラルサービス株式会社では、運転業務だけでなく、車両管理・整備・修理など、運行管理に関わる管理全般も対応可能です。
役員運転手の派遣や外注を検討中の方は、ぜひお問い合わせください。
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