Contents

運転手の外注とは?外注時に確認すべきポイントを紹介

運転手の外注とは?外注時に確認すべきポイントを紹介

運転手を外注する企業は、近年増加傾向にあります。

企業による運転手の外注には、勤務時間管理やコストの削減、専門業者による高い運転技術や安全性の確保など多くのメリットがあるためです。

 

本記事では運転手外注の依頼方法から業務内容、メリット、デメリット、外注先を選ぶ際に見るべきポイントまで紹介します。

 

1. 運転手の外注とは?

 

運転手の外注とは、外部の専門会社に所属するドライバーへ運転業務を依頼することです。

自社で雇用する場合、希望する人材を採用して自社教育ができる一方で、求人の準備や技術・接遇教育を行う必要があり、すぐに人材を確保できない点がデメリットです。

 

一方で外注では、運転技術だけでなく接遇マナーの研修も修了している場合が多いため、必要時にすぐドライバーを手配できるというメリットがあります。

また、ドライバーの労務管理や報酬の支払いなどは外注先が行うため、人事管理にかかるコストを抑えられる点も魅力といえるでしょう。

 

2. 運転手を外注する場合の費用相場

 

運転手を外注する方法には、ハイヤーサービスやドライバー派遣、業務委託などがあります。

利用時間や車種、距離などの条件によって料金は変動しますが、いずれも月額の相場は40~60万円前後です。

 

ただし、ハイヤーサービスでは営業所出庫から、サービス終了後の入庫までの時間や距離も料金に含まれます。

利用場所から遠い会社に依頼すると、相場より高くなる可能性があるため注意しましょう。

 

3. 運転手を外注する方法

 

運転手を外注する際は、「運転手のみを外注する方法」と「運転手と車の両方を外注する方法」の2種類があります。

自社で車を所有しており運転手のみを依頼したい場合は、「派遣会社との契約」と「業務委託契約」のいずれかを選択します。

 

両者の主な違いは、業務指示方法や契約期間です。

一方、自社で車を所持していない場合や、必要なときだけ使用したい場合は、車と運転手の両方を手配できるハイヤーサービスが適しています。

 

3-1.【運転手のみ外注】派遣会社契約

 

運転手のみを外注できる方法の一つが、派遣会社との契約です。

運転手の雇用主は派遣元事業主ですが、契約書に定められた業務の範囲内であれば、運転手に直接、業務内容や手順の指示を行えます。

 

3-1-1.派遣会社契約のメリット

 

派遣会社との契約で運転手を外注する大きなメリットは、即戦力となる運転手をすぐに確保できる点です。

自社で求人や面接、教育などを行う必要がないため、初期費用や人事管理の手間の削減が可能です。

また、多くの派遣会社では運転手が複数在籍しているため、万が一、担当運転手が体調不良などで稼働ができなくても、すぐに代わりの運転手を手配できるという強みもあります。

 

3-1-2.派遣会社契約のデメリット

 

派遣会社との契約は即戦力として稼働できる反面、会社や運転手によって運転技術や接遇サービスの質にバラつきが出やすい傾向がある点に注意しましょう。

さらに、同一の派遣社員が同じ企業で働くことは、最長3年までと限られています。

そのため、長期的に同じ運転手に担当をお願いしたいと検討している場合、他の契約形態の方が適しています。

 

3-2. 【運転手のみ外注】業務委託契約

 

業務委託契約も、社有車がある場合に運転手のみを外注できる方法です。

派遣会社との契約と似ていますが、依頼側は運転業務に関する内容・手順指示ができない点が異なります。

 

例えば、「〇時までに○○に到着」などの結果の指定はできますが、目的地までの道順や途中休憩場所といった手順の指示は行えません。

派遣会社との契約と同じ感覚で細かい指示を出してしまうと、偽装請負に該当するおそれがあるため注意しましょう。

 

3-2-1.業務委託契約のメリット

 

業務委託契約についても、即戦力の確保や費用削減のメリットのほか、契約期間の設定が柔軟に行える点が魅力です。

スポット利用や短期間、長期利用と運転手を依頼したい期間に応じて、契約形態を選べる会社は複数あります。

なかにはお試しでスポット契約を行い、サービスの品質や自社との相性を判断したうえで、委託会社と専属契約に移行できるケースもあります。

 

3-2-2.業務委託契約のデメリット

 

業務委託契約のデメリットとしては、会社により品質に差が出やすい傾向がある点が挙げられるでしょう。

加えて、依頼側が運転手へルートや立ち寄り地の指示を直接出すことが原則不可という制限があります。

 

しかし、契約内容にあらかじめ「立ち寄り地の追加」や「交通状況に応じてルートを判断する」といった内容を含めておけば、契約の範囲内で柔軟に対応してもらうことが可能です。

 

3-3.【運転手と車を外注】ハイヤーサービス

 

社有車がない場合は、車両と運転手をセットで外注できるハイヤーサービスがおすすめです。

利用料金は営業所の車庫を出庫してから、サービスを終えて帰庫するまでの時間や距離に応じて決まります。

 

毎月の利用頻度や区間がある程度決まっていれば、月極契約の利用も可能です。

利用頻度や区間、車種、人数などの利用条件は事前に事業者へ共有しましょう。

 

3-3-1.ハイヤーサービスのメリット

 

ハイヤーサービスは、車を所持していなくても利用ができるうえ、高級車を扱っている場合が多い点が特徴です。

運転技術や接遇マナーの研修レベルも高い傾向にあるため、乗り心地が良い車で、レベルの高い接客が受けられるでしょう。

 

3-3-2.ハイヤーサービスのデメリット

 

ハイヤーサービスのデメリットとして挙げられるのは、依頼場所から遠い会社に依頼をすると、料金が相場よりも高くなってしまう点です。

原則「出庫から依頼業務開始まで」と「業務終了から帰庫まで」の時間や距離の費用も加算されるためです。

 

また、急な依頼には対応が難しいケースが多い点も、デメリットといえるでしょう。

基本は予約制のため、当日予約は不可としている会社も珍しくありません。

 

4. 外注先を選定するポイント

運転手の外注先を選定する際のポイントは、以下の3点です。

 

  • 研修・安全管理体制が充実しているか
  • 契約内容は適切か
  • 業界歴が長く、評判がよいか

 

研修制度については、品質の維持や、最新情報の社内共有に力を入れているかどうかがポイントです。

運転技術だけでなく、接遇マナーや守秘義務、事故防止教育、アルコールチェックなど安全運航管理が徹底されているかという点も、信頼性を見極められるポイントといえるでしょう。

 

また、契約内容が適切であるかどうかも重要です。

費用が予算や相場からかけ離れていないか、スポット利用は可能か、事故発生時の一次対応と費用負担などを明記しているかを確認しておきましょう。

特に緊急時は原則、外注先が対応・負担することがほとんどですが、保険内容や状況によっては自社の対応が発生する場合もあるため、注意が必要です。

 

そのほか、業界歴や口コミの確認も欠かせません。

業界歴の長さは、多くの顧客から信頼されている証といえます。

業界歴が浅い場合でも、口コミが参考になるでしょう。

 

5. まとめ

 

運転手の外注は、必要なタイミングで経験豊富な人材を迅速に確保できる効率的な方法です。

いずれのサービスもメリット、デメリットがありますが、自社のニーズに合わせて外注先を選択することが大切です。

運転手の外注は、業務の効率化を実現するとともに、信頼できるビジネスパートナーを確保する有効な手段といえるでしょう。