ドライバー不足が深刻化する中、派遣サービスの活用を検討している企業は増えています。

しかし「実際にいくらかかるのか」「どのような料金体系なのか」と、料金に関する不安がある担当者も多いのではないでしょうか。

 

この記事では、ドライバー派遣の料金相場や料金体系、サービスを利用するメリットと注意点を詳しく解説します。

業者選びで失敗しないためのポイントも紹介するので、コストを抑えながら人材を確保したい方は、ぜひ参考にしてください。

 

1. ドライバー派遣サービスとは？

 

ドライバー派遣サービスとは、人材派遣会社を通じて必要な期間だけドライバーを確保できるサービスです。

近年、物流業界や運輸業界では深刻なドライバー不足が続いており、多くの企業が頭を悩ませています。

そこで注目を集めているのが「ドライバー派遣サービス」です。

 

通常の雇用とは異なり、派遣先企業とドライバー間には直接の雇用関係がありません。

雇用契約は派遣会社とドライバーの間で結ばれ、派遣先企業は派遣会社に料金を支払います。

 

このサービスの最大の特徴は、必要なタイミングに合わせて人数を確保できる柔軟性です。

繁忙期だけ増員したい、急な欠員が出たといった状況にも素早く対応できるため、多くの企業で導入が進んでいます。

 

2. ドライバー派遣の料金相場

 

ドライバー派遣の料金は車種や時間、走行距離によって変化します。

料金システムや具体的な費用について詳しく見ていきましょう。

 

2-1.ドライバー派遣の料金システム

 

ドライバー派遣の料金システムは、派遣会社によって計算方法が異なります。

主に時給制と日給制の2つの形態があり、利用時間や日数に応じて費用が発生します。

 

具体的に料金システムに影響する内容は以下の通りです。

 

• 走行距離
• 運転時間
• 車両の大きさ
• 特殊免許の有無
• 早朝・深夜時間帯

 

料金は走行距離や運転時間、拘束時間が長くなるほど、高額になります。

また、車両の種類によっても変動し、大型トラックや特殊車両など、運転に高度な技術と専門知識が必要になる場合は追加料金が発生します。

さらに、早朝や深夜といった通常営業時間外の利用では、追加のオプション料金が発生するケースが一般的です。

料金体系や計算方法、待機時間の扱いなど、相場は派遣会社により大きく異なるため、複数社の料金を比較検討してから利用を始めましょう。

 

2-2.ドライバー派遣の料金相場

 

実際の料金相場は車両の種類によって異なります。

基本的な料金相場の例を以下にまとめました。

 

【普通車の場合】

拘束時間	料金相場
4時間まで	1万円～2万円
8時間まで	2万円～3万5,000円
12時間まで	3万5,000円～4万5,000円

 

【大型車の場合】

拘束時間	料金相場
4時間まで	1万5,000円～2万5,000円
8時間まで	2万5,000円～4万円
12時間まで	4万円～5万円

 

普通車に比べて大型車は専門性が求められるため、料金相場が上がります。

ただし、あくまでも基本的な相場であり、以下のような条件で追加費用が発生します。

 

• 休日や祝日の勤務
• 深夜帯や早朝の運転
• 長距離の配送業務
• 特殊な資格が必要な車両

 

多くの派遣会社はWebサイトに詳細な料金表を掲載していません。

そのため、詳細な料金を知るためには、自社の利用条件を具体的に提示して見積もりを依頼する必要があります。

 

見積もりを依頼する際は、走行距離や勤務時間、車種などを明確に伝えると、正確な料金を把握できます。

詳細な条件を提示して複数社に見積もりを依頼すれば、適正価格を見極められるでしょう。

 

3. ドライバー派遣を利用する5つのメリット

 

ドライバー派遣には、人材不足の解消やコスト削減など多くのメリットがあります。

ここでは、派遣サービスを利用する主な5つのメリットを紹介します。

 

ドライバー派遣の利用を検討中の方は、自社にどのようなメリットがあるのかを確認してください。

3-1. 人材不足を解消できる

 

派遣サービスを利用すれば、必要な人材の早期確保が可能です。

派遣会社には多くのドライバーが登録しており、条件に合う人材を迅速にマッチングできます。

 

ドライバーは常に人手不足の職種といわれています。

有効求人倍率が高く、自社採用だけでは必要な人数を確保するのが難しい状況です。

ネット通販の拡大により配送需要が急増しており、ドライバー不足はさらに深刻化する可能性があります。

 

ドライバー派遣を活用すれば、求人広告を出して応募を待つ必要がなく、人材確保までの期間を大幅に短縮できます。

繁忙期の一時的な人員確保にも柔軟に対応できるため、状況に応じた人材確保が可能になるでしょう。

 

3-2. 採用コストを削減できる

 

ドライバー派遣サービスは必要な時期に必要な人数だけを確保できるため、無駄な人件費を抑えられます。

自社採用の場合は、求人広告費や採用担当者の人件費、面接にかかる時間など多くのコストがかかり、金銭的な負担が少なくありません

 

さらに、正社員として雇用すれば、閑散期にも固定的な人件費が発生し続けます。

社会保険料や労災保険などの法定福利費、労務管理にかかる事務コストも無視できません。

 

派遣サービスなら、これらの採用関連費用を大幅に削減でき、必要最低限のコストで人材を確保できます。

労務管理は派遣会社が担当するため、自社の負担も軽くなるでしょう。

 

3-3. ドライバーの導入コストを削減できる

 

ドライバー派遣サービスでは即戦力となる人材を確保できるため、教育コストと時間を大幅に削減できます。

派遣されるドライバーは業務に必要な教育が完了した人材で、経験豊富なベテランも豊富です。

基本的な運転技術や業務知識をすでに持っているため、最低限の説明だけですぐに現場で活躍できます。

 

一方、自社でドライバーを育成する場合、教育にかかる時間とコストが発生します。

運転技術はもちろん、接客マナーや配送ルート、安全運転の徹底など、長期的な教育が必要です。

 

新人ドライバー雇用して一人前育てるためには、多くの時間を要するため、数ヵ月から1年程度は業務効率が低下します。

社員の教育にコストや時間を割けないや、時期により業務の量が大きく変動する企業は、ドライバーの導入コストを軽減できるドライバー派遣サービスを活用できるでしょう。

 

3-4. 必要に応じた人材確保ができる

 

派遣サービスを利用すれば、業務量に合わせて柔軟に人員を調整できます。

派遣契約は31日以上であれば短期での利用が可能です。

 

年末年始やお中元・お歳暮シーズンなど、忙しい時期だけスポット的に人員を増加できます。

派遣会社によっては、1日単位のスポット派遣に対応している場合もあり、イベント運営や単発の大型配送など、短期間だけドライバーが必要な場合にも便利です。

 

3-5. 車種に合わせたドライバーを確保できる

 

派遣サービスを利用すると、大型免許保有者や特殊車両の運転経験者など、条件を指定して人材を探せます。

 

運送業務ではさまざまな車種を扱う場合があります。

例えば大型トラックや特殊車両など、自社採用で全ての車種に対応できる人材を揃えるのはコストや手間がかかりますが、ドライバー派遣を利用すれば負担を軽減できるでしょう。

 

業種や利用目的に合わせて最適なドライバーを確保できれば、安定した運営につながります。

 

4. ドライバー派遣を利用する際の注意点

 

ドライバー派遣には多くのメリットがありますが、いくつか注意すべき点もあります。

サービスや料金面で押さえておきたいポイントを解説します。

リスクを抑えてドライバー派遣を有効活用するために、確認してください。

 

4-1. 人材によりサービスの質にバラつきがある

 

派遣されるドライバーのスキルや経験、接客態度には個人差があります。

教育が不十分な人材や、接遇マナーに課題がある人が派遣される可能性もゼロではありません。

派遣サービスでは派遣会社が人材を選定するため、依頼企業側は事前に人材を見極めるのは難しいです。

 

一度派遣契約が成立すると、契約期間中は基本的に勤務してもらう必要があるため、期間が長くなるほどリスクが高まります。

ドライバー派遣でサービスの質を担保するには、派遣会社との信頼関係が不可欠です。

 

ただし、実績のある企業や評判のよい企業を選べば、サービスの質を安定させられます。

また、事前に教育体制や品質管理の仕組みを確認しておけば、人材に関するトラブルにも迅速に対応できるでしょう。

事前の準備や対策を怠らなければ、サービスの質は確保できます。

 

4-2. 派遣サービスの料金がかかる

 

派遣サービスは便利ですが、毎回費用が発生するため、使用しすぎるとコスト面での負担が増えます。

また、派遣会社によって料金体系が大きく異なるため、事前の確認が不可欠です。

 

例えば、基本料金に加えて、走行距離や運転時間によりオプション料金が加算されるケースもあります。

サービス利用後のトラブルを避けるためにも、追加費用が発生する条件を事前に把握しておきましょう。

 

見積もり時に提示された金額と実際の請求額が異なる場合もあるため、契約内容の細かい確認が大切です。

複数社を比較検討し、サービス内容と料金のバランスを見極めるとリスクを軽減できます。

 

5. ドライバー派遣会社を選ぶ4つのポイント

 

ドライバー派遣会社を選ぶ際には、いくつかの重要なポイントがあります。

自社ニーズに合った会社を選ぶため、以下の4つのポイントに注意して検討しましょう。

 

5-1. 登録しているドライバーの人数

 

派遣会社に登録しているドライバーの人数は重要な判断材料です。

登録者が多いほど、必要な免許や経験、勤務可能な時間帯など、細かい条件を指定しても対応できる可能性が高まります。

 

また、緊急時や繁忙期の急な依頼にも柔軟に対応してもらいやすくなるでしょう。

登録ドライバー数が少ない会社だと、希望する条件に合う人材がいない場合もあります。

ドライバー派遣の契約を結ぶ前に、登録者数や稼働率を確認しておきましょう。

 

5-2. 人材確保までのスピード

 

依頼してから実際にドライバーが派遣されるまでの期間も重要なチェックポイントです。

突発的な人手不足に対応するには、迅速な人材確保が欠かせません。

派遣会社により、依頼から人材確保までの時間が異なります。

 

マッチングシステムが整っている会社ほど、迅速な対応に期待できるため、事前に確認しておきましょう。

例えば、突発的な案件が多い企業や、急な欠員が多い企業は、人材を派遣できるまでのスピードの確認が必要です。

人材確保までのスピードを把握すれば、緊急時にも焦らず対応できるでしょう。

 

5-3. 対応できる車種

 

ドライバー派遣を依頼する前に、自社の業務で必要な車種に対応しているかを確認しましょう。

例えば運送会社なら、普通車だけでなく、中型車や大型車、特殊車両など、さまざまな車種に対応できる派遣会社が理想的です。

事業内容に複数の車種を扱う場合もあるため、幅広い免許保有者が登録している会社を選ぶと活用の幅が広がります。

 

特に、特殊な資格が必要な車両を扱う場合は、該当する資格を持つドライバーの登録数を確認しておきましょう。

将来的に事業拡大を考えているのであれば、多様な車種に対応できる派遣会社を選ぶと安心です。

 

5-4. キャンセルポリシー

 

予定変更や天候不良などでドライバーが不要になるケースに備えて、キャンセルポリシーの事前確認が重要です。

キャンセル料が発生する条件や、無料でキャンセルできる期間を把握しておきましょう。

 

会社によっては前日までのキャンセルは無料など、ルールが異なります。

急な予定変更が多い業種では、キャンセル条件の柔軟な派遣会社を選ぶと余計な費用を抑えられます。

 

6. ドライバー派遣の料金に関するよくある質問

 

ドライバー派遣を検討する際、料金面での疑問や不安を抱える方は多いでしょう。

ここでは、派遣料金に関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。

 

6-1. ドライバー派遣は時給制で利用できる？

 

時給制を採用している会社もありますが、多くは数時間単位や日単位での契約が基本です。

短時間だけの利用を希望する場合は、最低利用時間が設定されているかを確認しましょう。

 

自社の利用ニーズに合った料金体系の派遣会社選びが重要です。

見積もり依頼時に、具体的な利用時間を伝えて料金プランを確認してください。

 

6-2. ドライバー派遣の料金が変動するのはなぜ？

 

ドライバー派遣の料金は、拘束時間や運転時間、業務の特殊性など、複数の要素により決まります。

そのため、依頼ごとに料金が異なるケースも珍しくありません。

 

幅広い業務や条件に対応しているからこそ、料金設定に柔軟性を持たせている派遣会社がほとんどです。

料金が都度変動するのは、幅広い業務に対応している柔軟性が高い証でもあります。

 

6-3. ドライバー派遣の料金を抑えるには？

 

まず、複数の派遣会社から見積もりを取り、比較検討しましょう。

同じ条件でも会社によって料金が大きく異なる場合があるため、サービス内容と料金のバランスを見極め、自社にとってコストパフォーマンスがよい企業の見極めが大切です。

 

また、利用期間を長くすると割引が適用される企業が多い点も見逃せません。

短時間を複数回依頼するより、まとめて長期間利用する方が単価を下げられるため、できる限り長期間で依頼しましょう。

さらに、派遣会社が人手不足になる繁忙期を避けるなど、利害が一致すれば通常よりも安い料金で依頼できる場合があります。

 

7. まとめ

 

ドライバー派遣サービスは、深刻化する人材不足を解消する有効な手段です。

料金相場は半日（12時間）で普通車の場合4万円、大型車で5万円程度が目安ですが、走行距離や時間、車種によって変動します。

採用コストや教育コストの削減、柔軟な人材確保などのメリットがある一方、サービスの質にバラつきがある点や料金が発生する点には注意が必要です。

 

派遣業者を選ぶ際は、登録しているドライバーの人数や人材確保のスピード、対応車種、キャンセルポリシーなどをチェックしましょう。

複数社から見積もりを取り、自社のニーズに合ったサービスを選べば、効率的にドライバー派遣を利用できます。

ドライバー派遣を上手に活用して、事業の成長につなげてください。