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送迎代行サービスの仕事とは?活用法や必要資格を紹介

送迎代行サービスの仕事とは?活用法や必要資格を紹介

送迎代行サービスとは、企業や個人に代わって送迎を行うサービスです。

運転手の不足や、業務効率化といった背景から、活用される場面は年々増えています。

ホテル、空港、介護施設、工場の従業員送迎などの業務的な利用から、子どもの学童や習い事といった生活支援の場面まで、幅広いシーンで活用されているサービスです。

本記事では、送迎代行サービスにはどのような種類があるのかを整理し、業務内容の特徴や、働く上で必要とされる資格を業界別に紹介していきます。

 

1. 送迎代行サービスとは

 

送迎代行サービスとは、企業や個人の代わりに送迎業務を請け負うサービスです。

利用シーンは幅広く、役員送迎や観光旅館、空港、病院、幼稚園などの決まった場所、決まった時間に運行される送迎業務を委託されるケースが多く見られます。

 

一方、個人相手では、子どもの習い事、介護施設への送迎など、必要なときだけ利用するスポット型のサービスが中心です。

企業にとっては人件費などの負担軽減につながり、個人にとってはライフスタイルの変化に柔軟に対応できる手段として活用できることから、送迎代行サービスの利用シーンは今後も増加傾向にあると考えられます。

 

1-1. 送迎代行サービスの業務内容

 

送迎代行サービスの業務内容は、請け負い先の業種や契約によって担当する範囲が異なる場合があります。

 

基本は運転・送迎業ですが、契約によっては、乗降時の補助や利用者への接遇などが含まれる場合もあります。

そのため、任される業務の範囲を事前に確認することが重要です。

 

また、サービスの提供企業は、送迎業務に加えて、運行ルートの作成や運行計画の管理、送迎記録の作成や事故対応まで一括して請け負うケースも少なくありません。

送迎代行を担当するドライバーは、企業側が作成した運行計画や指示内容に基づいて、送迎業務を遂行します。

 

1-2. 自動車運転代行・タクシーとの違い

 

送迎代行サービスは、自動車運転代行やタクシーと混同されやすいサービスですが、利用する車両や契約形態といった面で明確な違いがあります。

自動車運転代行は、公安委員会の認定を受けた事業者が、依頼主の所有する車両を代わりに運転する業態です。

一方、送迎代行は契約内容に基づいて用意された送迎用の車両を使用して移動を行う点が特徴です。

 

契約形態についても違いがあります。

タクシーや運転代行は、必要なときに都度依頼をして利用するケースが一般的です。

一方、送迎代行サービスは企業や施設と契約を結び、シャトルバスやスクールバス等の定期便として運行するケースが多い傾向にあります。

 

2. 送迎代行サービスの活用シーン

 

送迎代行サービスは、役員送迎から従業員の通勤、病院・学童・宿泊施設の送迎まで幅広く活用されています。

利用者や運行条件に合わせて必要な対応が変わるため、目的に合った体制を整えることが重要です。

 

2-1. 企業役員・社用車の送迎

 

企業の役員や来客を、社有車や役員の所有する車両で送迎する業務は、一般に「役員運転手」とも呼ばれます。

 

送迎の業務だけではなく、車両の管理や、待機の間に簡単な事務作業や秘書業務を兼任することも少なくありません。

また、役員のスケジュールに合わせて送迎を行うため、接待や会合で休日に稼働する場合もあります。

 

2-2. ホテル・旅館・商業施設の送迎

 

ホテルや旅館、商業施設では、主要駅や周辺施設と施設を結ぶ送迎車が、あらかじめ決められた運行ルートと時間に従って運行されるケースが一般的です。

宿泊者や来館者の移動手段として、日常的に利用されます。

 

送迎代行サービスを導入することで、最寄り駅から距離がある立地でも、来館しやすい環境を整えられる点が大きなメリットです。

お客様と直接接する業務となるため、運転だけではなく、荷物の積み下ろしや案内といった対応、接遇スキルなども求められるでしょう。

 

2-3. 従業員の送迎

 

工場や物流施設など、公共交通機関からアクセスが不便な場所にある企業では、従業員の送迎を目的として送迎代行サービスが活用されることがあります。

時差出勤や残業、休日出勤、さらに繁忙期や閑散期といった勤務形態の変化に合わせて、運行計画が柔軟に見直されるケースも少なくありません。

 

運行スケジュールやルートの組み方によっては待機時間が発生し、その間に車両点検や清掃といった付随業務を任される場合もあります。

さらに、感染症が流行する時期には、社内感染を防ぐ観点から、車内の消毒や換気といった配慮も重要です。

 

2-4. 学童・スクール・幼稚園の送迎

 

学童施設と送迎対象となる小学校、指定された習い事先への送迎や、幼稚園バスの運行は、あらかじめ決められた乗降場所で子どもを送迎するケースが一般的です。

共働き世帯の増加に伴い、特に学童や習い事の送迎需要は近年高まっていると言えるでしょう。

 

まだ身体が成長段階にある子どもが利用するため、負担がかかりにくく安全面に考慮した運転技術や、丁寧な対応が求められます。

現場によっては、保育士や学童職員が同乗することも珍しくありません。

 

また、遠足や運動会等の行事の際には、保護者の同乗に対応する場合や、臨時で運行本数の増加なども考えられるため、柔軟な運行体制が求められる場面でしょう。

 

2-5. 病院・介護施設・福祉施設の送迎

 

病院や介護・福祉施設の利用者を主要駅から施設まで決められた運行計画に沿って送迎します。

施設などの法人と契約している場合は、決められた区間の定期運行が一般的ですが、介護分野ではスポット利用として、利用者の自宅から個別に送迎を行う場合もあります。

 

車椅子で利用される人もいるため、車椅子固定用シートベルトの対応や、乗降時の介助が必要なケースも多いでしょう。

現場によっては、施設側へ利用者の体調に関する簡単な申し送りを任される場合もあり、体調に配慮した丁寧な運転が求められます。

 

3. 送迎代行サービスの契約形態と料金設定

 

送迎代行サービスは「定期契約」と「スポット利用」に分かれます。

料金は運行回数や時間帯、車両、対応内容などで変わるため、仕組みを理解したうえで目的に合う形を選ぶことが大切です。

 

3-1. 定期契約とスポット利用の違い

 

定期契約は、毎日または毎週など決まった曜日、時間帯に継続して送迎を行う契約形態です。

スクールバス、企業の通勤送迎、役員送迎等が代表例です。

運行ルートや本数が安定しているため、長期的に見ると1回あたりのコストが抑えられる傾向があります。

 

一方でスポット利用は、研修や視察、イベントや団体旅行など、単発または期間限定で送迎が必要な場合に利用される契約形態です。

繁忙期の一時的な増便や、臨時で送迎が必要になった場合にも柔軟に対応できるのが特徴です。

 

送迎頻度や利用期間、人数、コストの考え方によってどちらを利用するか判断するとよいでしょう。

日常的に送迎が発生する場合は定期契約、イレギュラーな移動にはスポット利用が向いています。

 

3-2. 料金に影響する主な要素

 

送迎代行サービスの料金は、複数の条件により決まります。

企業によって定めている料金条件は異なりますが、主に以下の項目で料金が確定します。

  • 稼働日数
  • 稼働時間、時間帯
  • 車両台数・車種
  • 運転以外のサービス代行内容
  • 送迎予定人数
  • 契約期間

稼働日数や稼働時間・時間帯は、料金決定の主となる条件です。

 

また、スポット利用より定期契約の方が、1回の運行コストを抑えやすい傾向にあります。

運行ルートやスケジュールが固定され、長期的な利用が想定される場合、定期契約として見積もりを取る方が金額面でも安心でしょう。

 

4. 送迎代行サービスに必要な資格・スキル

 

送迎代行サービスに必要な資格は、運行形態(契約形態)と車両によって異なります。

委託先が車両と運転者をセットで用意し、有償で利用者を運ぶ形の場合、道路運送法上「旅客自動車運送事業」に該当する可能性があります。

 

この場合、事業許可の要否や、第二種免許などの免許要件が関係するため注意が必要です。

契約内容と運行実態で扱いが変わるため、依頼前に確認しておくことが重要です。

 

また、マイクロバスや大型バスを使う場合は、車両区分に応じて中型免許・大型免許が必要になります。

スキル面では、運転技術に加えて、接遇(挨拶・案内)、乗降補助への配慮、時間管理・ルート選定、事故や故障時の初動対応なども求められます。

 

5. まとめ

 

送迎代行サービスは多くの業界で利用されているサービスです。

送迎代行サービスを提供している企業も、ただ車を運転するだけのサービスにとどまらず、車両管理や運行計画といった送迎に関係する他のサービスも提供するようになってきています。

 

業種や契約内容により、業務範囲も留意する点も異なります。

必要資格が普通第一種免許のみで問題ないケースも多いため、興味のある業種にドライバーとして貢献できるという点は大きな魅力です。