ドライバー派遣のメリットは?派遣サービスの選び方や利用時の注意点を解説
2025年09月24日
「ドライバー派遣にはどのようなメリットがある?」
「派遣サービスを選ぶときのポイントは?」
このように、ドライバー派遣のメリットがわからず悩んでいませんか。
実際にドライバー派遣の利用を検討するうえで、より理解を深めたいと考える人もいるでしょう。
本記事では、ドライバー派遣を依頼する際のメリット・デメリットや派遣サービスの選び方、利用時の注意点を解説します。
記事を読み終わった頃には、ドライバー派遣について理解を深め自社に合ったドライバー採用が可能となるでしょう。
1. ドライバー派遣とは?
ドライバー派遣とは、派遣会社に登録または雇用されているドライバーを、派遣先企業の業務に合わせて派遣するサービスです。
派遣されるドライバーは、派遣会社と契約して、派遣先企業の指示で業務を行います。
そのため、派遣先企業は直接ドライバーを雇用するわけではありません。
派遣会社と派遣先企業で契約期間を定め契約するのが一般的で、派遣されるドライバーは派遣会社から給料を受け取る仕組みです。
2. ドライバー派遣を依頼するメリット
ドライバー派遣を依頼するメリットを紹介します。
自社で雇用するケースとどのような違いがあるのか、確認しましょう。
2-1. ドライバー採用時の手間やコストを削減できる
ドライバー派遣を依頼することで、採用にかかる手間やコストを削減できます。
派遣サービスに登録されたドライバーのなかから、企業の要望に沿った人材が選ばれて派遣されているためです。
自社で採用する場合は、応募から面接、選考など、手間も時間もかかります。
さらに、応募に求人広告を活用すると広告費も必要となるでしょう。
ドライバー派遣であれば、採用業務をすべて派遣サービスに委託できるため、自社の採用にかかる負担が軽減されます。
2-2. ドライバーを確保しやすい
ドライバー派遣では、登録済みのドライバーから迅速に手配できるため、必要なときにドライバーを確保できるでしょう。
自社で採用を強化したところで、なかなか集まらないのが現実です。
特にトラックドライバーの人材不足は業界の懸念材料となっています。
派遣サービスを活用することで、人材を確保しやすくなり、人手不足解消につながるでしょう。
2-3. 正社員採用につなげられる
ドライバー派遣を依頼すると、正社員ドライバーの採用につながる可能性があります。
実際に、派遣されたドライバーの働きぶりを確認して、正社員登用を促すことが可能です。
派遣先企業は、ドライバーのスキルや勤務態度・人間性をある程度理解した状態で正社員を採用できます。
事前に働きぶりを確認できるため、採用後のミスマッチを防ぎ、活躍が見込める人材を確保できます。
2-4. 自社車両の稼働率が向上する
ドライバー派遣によって、自社車両の稼働率の向上にもつながるでしょう。
ドライバーを確保できれば、車両台数に対して運転手が不足するリスクを回避できます。
特に運送会社は、車両が稼働しないことには売上増加が見込めません。
さらに稼働しない車両にも維持費がかかるため、売上が伸びず経費だけが増えることになります。
2-5. 仕事の受注に対して柔軟に対応できる
稼働台数や仕事の受注状況によって、柔軟にドライバー派遣を利用できるのもメリットです。
例えば繁忙期や運転手が一時的に不足する場合、状況に合わせて契約できるでしょう。
また、必要な時期に必要な人数を派遣してもらえるため、人件費の無駄を抑えつつ、急な受注にも柔軟に対応できます。
3. ドライバー派遣を依頼するデメリット
ドライバー派遣を依頼するデメリットを紹介します。
デメリットも理解することで、活用する際のイメージをしながら検討できるでしょう。
3-1. 派遣期間に決まりがある
ドライバー派遣は一般労働者派遣に該当し、派遣期間が定められています。
決められた派遣期間のとおりに契約する必要があるため注意しましょう。
派遣期間の決まりを以下の項目で詳しく解説します。
3-1-1. 最低2ヶ月を超える必要がある
ドライバーの派遣は、原則として最低2ヶ月は契約しなければなりません。
この期間を下回る契約はできないため、利用する際は必要な期間に注意する必要があるでしょう。
例えば、年末年始が繁忙期であり、その期間だけドライバー派遣を利用したいと仮定します。
このとき、仮に12月1日から利用する場合、1月の末までは契約を締結しなければなりません。
3-1-2. 同じ派遣先で3年以上契約できない
ドライバー派遣は、法律上同じ派遣先での勤務は最長3年と決められています。
優秀な人材であっても、派遣ドライバーとして3年以上契約を更新することは原則できません。
「3年以内」の縛りがあると、仕事に慣れた頃に新しい人材に交代する必要があるため、業務の連続性が損なわれる可能性があります。
3年以上の契約を望む場合は、正社員登用の検討が必要となります。
3-2. 帰属意識が低い可能性がある
派遣サービスから派遣されたドライバーは、正社員ではないため帰属意識が低い可能性があります。
結果として、モチベーションの低下やパフォーマンスが低下する場合がある点に注意が必要です。
派遣社員として契約する場合、実際に勤める会社の社員ではないため、どうしても社員としての意識が低くなるリスクも伴います。
帰属意識の低下を防ぐには、適切なコミュニケーションやサポート体制を整え、派遣社員が働きやすい環境を作ることが派遣先企業の課題といえるでしょう。
4. ドライバー派遣サービスの選び方
ドライバー派遣サービスの選び方を紹介します
派遣サービスを選ぶ際のポイントを解説するので、ぜひ参考にしてください。
4-1. 派遣先企業に合った派遣サービスを選択する
派遣サービスは、企業によってドライバーの特性が異なります。
例えば、大型トラックのドライバーを必要としているのに、対応できる人材が登録されていない派遣サービスを選んでは意味がありません。
自社の業種によって、利用すべき派遣サービスは大きく変わります。
どのようなドライバーを確保しているのか、強みとしている部分はどこなのかなどを確認しながら、派遣サービスを選びましょう。
4-2. 派遣サービスの選考基準を確認する
派遣サービスを選ぶ際は、ドライバーの選考基準を確認しましょう。
選考基準はドライバーのクオリティに直結する部分であるため、特に注目したいポイントです。
例えばドライビングスキルや免許の種類、経験年数、安全運転の実績など、どのような選考基準で選んでいるかを確認します。
自社の考える基準と同じくらいの基準で選んでいる場合は、自社が求める人材に出会える可能性があるでしょう。
また、登録しているドライバーの人数も確認してください。
運送業界を例に見てみると、慢性的な人材不足に直面しており、派遣サービスでも人材が確保できないケースがあります。
必要なときに必要な人数を依頼できるように、登録者数が多く供給力の高い派遣サービスを選ぶと安心です。
4-3. 料金体系が明確になっているか確認する
ドライバーの派遣サービスは、それぞれ料金が異なります。
そのため、料金体系が明確になっているかを確認しましょう。
契約期間に対しての基本料金、残業代や休日出勤時の割増料金、交通費や諸経費の有無など、細部まで事前に確認しておきましょう。
料金体系を曖昧にしたまま契約すると、予期せぬ追加費用が発生し、金銭トラブルにつながる恐れがあります。
4-4. 緊急時の対応力やサポート体制を確認する
派遣サービスを選ぶときは、緊急時の対応力やサポート体制を確認しておくことをおすすめします。
特に運送業界は、急な欠員や繁忙期対応など、緊急で人員を確保しなければならない状況が少なくありません。
依頼から派遣までのスピードや柔軟な対応力は、サービスの質を見極める重要な基準です。
さらに、定期訪問や相談窓口の設置など、継続的なサポート体制が整っているかも確認しておきましょう。
フォローアップが充実していれば、安心して長期的に依頼できます。
5. ドライバー派遣利用時の注意点
ドライバー派遣を利用する際は、いくつかの注意点を理解しておく必要があります。
ここでは具体的な注意点として、4つのポイントをまとめました。
5-1. 派遣サービスによってドライバーの品質が異なる
派遣サービスと言っても、サービスによってドライバーの品質が異なる点を理解しましょう。
これはドライバーの採用基準が大きく関係しており、経験年数や実績などが会社ごとに異なるためです。
品質の低いドライバーが派遣された場合、自社の評判や業務品質に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、自社業務に適したスキルを持っているかを確認し、複数の派遣サービスを比較検討することが望ましいでしょう。
5-2. 二重派遣は禁止されている
労働者派遣法により、二重派遣は明確に禁止されているため注意しましょう。
二重派遣とは、派遣先企業から別の企業に派遣することです。
基本的に、派遣サービスと派遣先企業の間で契約が結ばれ、費用や労働条件などが決定します。
派遣先企業からほかの企業に派遣してしまうと、派遣元と派遣先の契約で定めた労働条件が守られなくなり、ドライバーに不利益が生じるリスクがあります。
信用問題にも直結するため、二重派遣は絶対に避けなければなりません。
5-3. 車両は派遣先企業が用意する
派遣ドライバーが乗車する車両は、基本的に派遣先企業が用意します。
そのため、車両の維持費や事故に対する保険費用、メンテナンス費用などは自社負担となります。
ただし、ドライバーと車両をセットで派遣できるサービスもあるので、契約前に確認しておきましょう。
5-4. 派遣ドライバーの管理・教育の責任がある
派遣ドライバーの管理や教育は派遣先企業の責任です。
安全教育や健康状態の確認、勤務態度のチェックなど、正社員同様の体制で対応する必要があります。
派遣契約を結んだからといって業務を丸投げするのではなく、自社として責任を持って管理・指導を行うことが求められます。
6. ドライバー派遣を依頼する際のよくある疑問と回答
ドライバー派遣を依頼する際のよくある疑問と回答をまとめました。
多くの人が疑問に思う内容に目を通すことで理解が深まる可能性があります。ぜひ参考にしてください。
6-1. ドライバー派遣の料金相場は?
ドライバー派遣の料金相場は、以下のとおりです。
トラックの大きさ | 料金相場(1日8時間の場合) |
大型 | 1.5万〜2万円 |
中型 | 1.3万〜1.8万円 |
小型 | 1.1万〜1.6万円 |
表の金額は、派遣先企業から派遣サービスに支払うおおよその費用相場です。
実際に金額は派遣サービスや労働条件などによって異なるため、あくまで目安の金額として考えてください。
また、派遣サービスによって費用が異なるため、複数社から相見積もりを取って比較検討するのがおすすめです。
金額だけではなく、契約内容もしっかりと確認して自社に合ったサービスを選択しましょう。
6-2. 派遣先企業は派遣ドライバーの面接ができる?
派遣先企業は、派遣ドライバーを特定するための面接が禁止されています。
これは労働者派遣法で決められており、意図的な人選を禁止するためです。
ただし、派遣サービスが行う面接に立ち会うことは認められており、派遣サービスから提供された情報をもとに人選することも許可されています。
6-3. 派遣ドライバーに問題があった場合、派遣サービスはどこまで対応できる?
派遣ドライバーに問題がある場合は、派遣サービスはドライバーの交代や契約解除といった対応を取ります。
基本的に、派遣ドライバーに問題がある場合は派遣サービスに連絡します。
派遣サービスに迅速に対応してもらい、適切な対処を受けるのが一般的です。
トラブル発生時の緊急対応体制が整っている派遣サービスもあるので、契約時に確認するとよいでしょう。
7. まとめ
ドライバー派遣を依頼するメリットは、以下の5つです。
- ドライバー採用時の手間やコストを削減できる
- 必要な人材を短期間で確保しやすい
- 即戦力を得られ、正社員採用につなげられる
- 業務効率化や車両稼働率の向上につながる
- 繁忙期や受注増加時にも柔軟に対応できる
ドライバー派遣を利用することによって、不足しがちなドライバーの確保を効率よく行えます。
さらに、採用時のコスト削減にもつながるため、自社車両の稼働率向上とともに、利益率アップにもつながるでしょう。
ただし、派遣契約には期間の縛りがあり、2ヶ月未満の短期契約や3年以上の長期契約ができません。
ドライバー派遣のメリット・デメリットを理解したうえで、自社に最適な方法でドライバーを確保していきましょう。
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