送迎の仕事に必要な免許とは?役立つ資格やスキル、注意点も解説
2026年01月22日

「普通運転免許を持っているから、未経験でも送迎ドライバーに転職できるのでは」と考える方もいるかもしれません。
しかし、送迎の仕事は、事業形態や車両の種類によって必要となる免許が異なります。
そこで本記事では、送迎の仕事の種類や特徴を整理したうえで、必要となる免許、業務に役立つ資格・スキルについて詳しく解説します。
近年は送迎の需要が高まっており、日常的に車の運転をしている方にとって、比較的始めやすい職種といえるでしょう。
中高年の転職や定年退職後のセカンドキャリアとして選ばれるケースもあるため、「送迎の仕事に関心がある」「転職を検討している」という方は、ぜひ参考にしてください。
目次
1. 送迎の仕事とは?
送迎の仕事とは、各業種やサービスにおいて、送迎車両を運転し利用者の移動を支える業務のことです。
現在は、さまざまな業種・施設での送迎の需要が高まっている一方、ドライバー不足が深刻化しています。
送迎の仕事は、勤務時間のシフトが柔軟な求人が多く、プライベートとの両立がしやすい仕事です。
また、日常的に車を運転している方にとって気軽に始めやすい職種でもあり、中高年の転職や定年退職後のセカンドキャリアとしても人気があります。
2. 送迎の種類と仕事内容
送迎の仕事には、さまざまな種類があります。
例えば、各施設への送迎・企業の役員送迎・従業員や派遣スタッフの送迎・イベント会場への送迎など、幅広い業種やサービスで活用されている職種です。
主な仕事内容は、送迎車両の運転・利用者の乗降対応・車両の清掃や管理であり、企業によっては、送迎記録の作成や業種・サービスに特化した業務に携わる場合もあります。
いずれの業務も大切ですが、送迎の仕事でもっとも重要なのは、安全運転を遵守することです。
3. 送迎の仕事に必要な免許の種類
送迎に必要な免許は、「営利目的か非営利目的か」または「送迎する車両の大きさ」で、第一種運転免許・第二種運転免許に分かれます。
本章では、送迎に必要な免許の種類について解説します。
3-1. 第一種運転免許で送迎できるケース
第一種運転免許で送迎できるケースは、自社のサービスの一環として利用者から運賃を取らずに送迎を行う場合です。
例えば、次のような業種やサービスが該当します。
- 宿泊施設
- 医療・福祉施設
- 教育施設
- 従業員送迎
- 冠婚葬祭
- 商業施設
- レジャー施設
- イベント会場
第二種運転免許は、営利目的で運賃をとる場合に必要となる免許です。
運賃を取らない送迎であれば、自社が所有する白ナンバーの車両を使用し、第一種運転免許で運転できます。
3-2. 送迎に第二種運転免許が必要になるケース
送迎であっても、営利目的で運賃を受け取って人を運ぶ場合には、第二種運転免許が必要です。
道路交通法では「タクシーやバスなどの旅客自動車を使って、事業として人を運送する場合は、車両の種類に応じた第二種運転免許を取得しなければならない」と定められています。
第二種運転免許の区分は、下表の通りです。
| 自動車の種類 | 第二種運転免許の種類 |
| 大型自動車 | 大型第二種運転免許 |
| 中型自動車および準中型自動車 | 中型第二種運転免許 |
| 普通自動車 | 普通第二種運転免許 |
| 大型特殊自動車 | 大型特殊第二種運転免許 |
旅客自動車とは、タクシー・ハイヤー・路線バス・高速バスなど、不特定の人から運賃を受け取って運ぶ車両を指します。
これらの車両で送迎を行う場合、運転者は車両の種類に応じた第二種運転免許を保有する必要があります。
なお、施設やスクールの送迎であっても、運行をバス会社などに委託し利用者から運賃が発生しているケースでは、原則として第二種運転免許が必要です。
「送迎だから大丈夫」と自己判断せず、運行形態や契約内容を事前に確認することが重要です。
3-3. 送迎車両の種類によって必要な免許は異なる
送迎で使用する車両の種類や大きさによって、必要となる免許は異なります。
施設やサービスの利用者数、運行規模に応じて、使用される車種もさまざまです。
下表のように、1回の送迎で何人を乗せるかによって車両の定員数が変わり、それにともなって選ぶべき車種や必要な免許も変わります。
| 乗車定員 | 最大積載量 | 車種 | |
| 普通自動車免許 | 10人以下 | 2t未満 | ハイエースなどのワゴン・バン |
| 準中型免許 | 10人以下 | 4.5t未満 | ハイエースなどのワゴン・バン |
| 8t限定中型免許(平成19年6月2日よりも前に取得した普通免許) | 10人以下 | 5t未満 | ハイエースなどのワゴン・バン |
| 中型免許 | 29人以下 | 6.5t未満 | ハイエースコミューター(定員14名)
マイクロバス |
| 大型免許 | 30人以上 | 6.5t以上 | 大型バス |
例えば、園児25人を乗せて送迎を行う幼稚園では、マイクロバスが使用されるケースが多く、その場合は中型免許が必要です。
ホテルや旅館などで常時30人以上を送迎する場合は、大型バスを使用することになるため、大型免許が求められます。
一方で、介護施設や役員送迎などは比較的小規模な運行が多く、車種によっては普通免許で対応できるケースもあります。
宿泊施設やスクール、商業施設などでは、利用者数や運行規模によって、中型免許や大型免許が必要になる場合があるため注意しましょう。
3-4. 免許取得支援を導入している企業もある
送迎に大型自動車第二種運転免許が必要な場合に、免許の取得を支援している企業があります。
大型車両や運転手の確保のため、送迎サービスをバス会社に委託するケースでは大型自動車第二種運転免許が必要です。
送迎ドライバー不足の深刻化により、大型自動車第二種運転免許の取得を支援し、積極的に未経験者を採用しているバス会社が多くあります。
大型自動車第二種運転免許の取得を支援する多くの企業では、研修やトレーニング制度も充実しており、未経験でも安心して運転技術を身に付けられる環境が整っている傾向にあるでしょう。
4. 送迎の仕事が未経験でも年齢問わずチャレンジしやすい4つの理由
送迎の仕事に関わらず、中高年での未経験の仕事への転職には不安がつきものです。
しかし、送迎の仕事は未経験でも比較的チャレンジしやすいのが特徴です。
本章では、送迎の仕事が未経験でも年齢問わずチャレンジしやすい4つの理由について解説します。
4-1. 送迎ドライバーが不足している
送迎ドライバーが不足していることから、未経験者や年齢を問わず歓迎される求人が多い点は、チャレンジしやすい理由の一つです。
特に、介護・福祉施設では高齢化の進行により、入居者数の増加や施設数の拡大が続いています。
それにともない送迎ドライバーの需要も高まっており、未経験者や中高年層を積極的に採用する企業が増加しています。
介護・福祉施設では、介護職員が本来の業務に専念できるよう、運転業務を担当する送迎専任スタッフを募集しているケースも少なくありません。
さらに、2024年4月から始まった「2024年問題」によるドライバーの労働時間規制強化も、人材確保を難しくしている要因の一つです。
公益社団法人日本バス協会の調査によると、2030年度には運転手が約3万6,000人不足すると予測されており、今後はさまざまな分野で人々の生活に影響をおよぼす可能性があります。
参考:公益社団法人日本バス協会「国土幹線道路部会 ヒアリング資料」
4-2. 勤務時間の柔軟性が高い
施設によっては勤務時間が短い、シフトの柔軟性が高いことも、チャレンジしやすい理由の一つです。
短時間勤務のパート・アルバイト求人も多いため、プライベートとの両立を実現しやすいのも魅力といえるでしょう。
特にデイサービスや幼稚園の送迎は、勤務時間が比較的短い傾向にあります。
フルタイムで働くことが難しく、短時間の仕事を探しているシニアや主婦層にも働きやすい職種です。
また、企業の従業員を送迎するドライバーなどでは、朝・夕方の時間のみの勤務もあります。
4-3. 体力的な負担が比較的少ない
送迎の仕事は、体力的な負担が比較的少ないことから、未経験や中高年でもチャレンジしやすい職種だといえます。
長時間の立ち仕事ではなく、座って運転することがメイン業務となるため、体力に自信がなくても働きやすい仕事です。
商業施設や教育施設、企業・役員送迎などであれば、荷物の積み下ろしなどもほとんどありません。
4-4. 収入確保と社会参加が可能
未経験・年齢問わずに収入確保と社会参加がしやすい点も、送迎ドライバーにチャレンジするモチベーションにつながります。
定年退職をした人や主婦のなかには、社会参加や復帰きっかけを探している人もいます。
勤務時間や働き方を比較的選びやすく、同時に収入確保もできるのが魅力です。
パートや時短勤務でも一定の収入を確保できるため、年金だけでは生活費が不安なシニア層や、養育費のかかる子育て世代の生活費の補填が可能になります。
5. 送迎の仕事に役立つスキルや資格
送迎の仕事には、運転免許以外に必須となる資格はありません。
ただし、業務を円滑に進めるうえで役立つスキルはいくつかあります。
代表的なのが、コミュニケーション能力です。
送迎ドライバーは、利用者本人だけでなく、その家族や施設スタッフと接する機会が多く、円滑なやり取りが求められます。
相手の立場に配慮した丁寧な対応を心がけることは、信頼関係の構築だけでなく、安全運転の意識向上にもつながります。
また、送迎ドライバーはスケジュールに沿って運行する必要があるため、時間管理能力も欠かせません。
特に小さな子どもや高齢者の送迎では、到着時間が大きくずれると、家族に不安を与えてしまうこともあります。
職種や勤務先によっては、関連する資格を取得しておくと業務の幅が広がる場合もあるでしょう。
例えば、介護・福祉施設の送迎では、介護職員初任者研修・介護福祉士・サービス介助士などの資格が役立ちます。
幼稚園や保育園の送迎では保育関連の資格が評価される場合がありますし、役員送迎や企業送迎ではビジネスマナーや守秘義務に対する高い意識が求められます。
また、複数の人を日常的に送迎するドライバーにとって、普通救命講習で学ぶ知識は、万が一の場面でも役立つでしょう。
6. 送迎の仕事に向いている人の特徴
送迎の仕事は未経験や中高年でもチャレンジしやすい職種ですが、それでも不安を感じる人もいるでしょう。
本章では、送迎の仕事に向いている人の特徴について解説します。
6-1. 人と接することが好きな人
送迎では、さまざまな人と日々関わるため、人と接することが好きな人に向いているといえます。
送迎のタイプによって、小さな子どもや高齢者、企業の役員など利用者もさまざまです。
さらに、利用者の家族や施設のスタッフ、学校関係者などとの円滑なコミュニケーションが求められます。
送迎の仕事では、利用者や関係者との信頼関係を築くためにも、日々丁寧で細やかな対応と、思いやりを持って人に接することが大切です。
信頼関係を築き、日々良好なコミュニケーションが取れれば、利用者から感謝されることが多いやりがいのある職種です。
6-2. 運転が好き・苦にならない人
送迎の仕事は車の運転がメインの業務となることから、運転が好きで苦にならない人が向いています。
多くの人を乗せての運転になるため、その点も併せて苦にならないかが重要なポイントです。
送迎の仕事には、安全運転と乗っている人に負担をかけない運転技術も大切な要素です。
乗っている人を常に気遣い、慎重に運転し続けられる人が送迎の仕事に向いています。
6-3. 短時間・自由度の高いシフトで働きたい人
送迎の仕事は、比較的柔軟な働き方がしやすく、短時間や自由度の高いシフトで働きたい人に向いています。
特にデイサービスや幼稚園・保育園の送迎では、8~10時前後に自宅や集合場所で利用者を迎え、施設へ送り、15~17時前後に施設から自宅や解散場所へ送り届けるケースが一般的です。
1日あたり2~3時間程度の勤務となることも多く、家事の合間や朝夕に空き時間がある人にとって、無理なく続けやすい仕事といえるでしょう。
7. 送迎を行う際に注意すべき3つのポイント
未経験や年齢問わずチャレンジできるのが送迎の仕事の魅力ですが、注意点もいくつかあります。
本章では、送迎を行う際に注意すべき3つのポイントについて解説します。
7-1. 健康管理に努める
送迎ドライバーは、年齢に関わらず日々の健康管理が重要です。
複数の人を乗せて運転するため、ひとたび体調不良や判断力の低下が起きると、自分だけでなく同乗者の安全にも大きく影響します。
重大な病気の危険因子がないか、視力や聴力が衰えていないか、血糖値や血圧に問題はないかなど、常に自分の健康状態を把握しておく必要があります。
定期的に健康診断を受診することが、安全な送迎を続けるための基本といえるでしょう。
特に中高年の場合は、こまめに休憩やストレッチを取り入れ、長時間運転による疲労を溜め込まないことが大切です。
運転中の脱水症状を防ぐため、こまめな水分補給を意識することも欠かせません。
7-2. 安全運転と車両管理
安全運転を徹底するとともに、そのための車両管理にも注意が必要です。
安全運転とは、単に事故を起こさないことだけでなく、搭乗者に負担をかけない運転を心がけることも含まれます。
急ブレーキや急発進を避け、カーブでは十分に減速するなど、常に慎重な運転が求められます。
また、安全運転を支える要素として、車両に不具合がないかを日頃から確認することも重要です。
専門的な点検は整備士が行うものですが、日常的に車両を使用するドライバー自身も異音や違和感に気づけるよう意識しておくことで、事故の未然防止につながります。
人を乗せる車両であるため、車内をこまめに清掃し、清潔な環境を保つことも欠かせません。
7-3. 白タク行為はしない
「白タク行為」を行わないよう注意することも大切です。
自社の車両を使用し、第一種運転免許で送迎業務を行っている場合、利用者から運賃や報酬を受け取ることはできません。
営業許可を受けていない自社車両は白ナンバーとなり、この車両で運賃を受け取る行為は「白タク行為」と呼ばれる違法行為に該当します。
国から営業許可を受け、車両が緑ナンバーとなってはじめて、運賃を受け取ることが可能になります。
たとえ乗せた相手が知人や友人であっても、対価を受け取った場合には、厳密には違法と判断されるケースがあるため注意が必要です。
無許可で事業を行った場合、もっとも重い罰則として、最大で3年以下の懲役または300万円以下の罰金(もしくはその両方)が科される可能性があります。
8. まとめ
送迎の仕事は、未経験からでもチャレンジしやすく、中高年で転職の機会を探している方や、定年退職後のセカンドキャリアとして働きたい方に適しています。
比較的シフトの自由度が高いため、ライフスタイルに合わせた働き方を実現しやすい点も魅力です。
また、企業の役員送迎では、こだわりのある車種を運転する機会も多く、車が好きな方にも向いています。
セントラルサービス株式会社では、こうした役員送迎を含む送迎ドライバーの求人をご紹介しています。
「送迎の仕事に関心がある」「送迎の仕事への転職を検討している」という方は、ぜひセントラルサービスへご相談ください。
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