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ドライバー採用が難しい理由と採用や定着率をアップする改善策

昨今、ドライバーの採用が難しいというニュースを目にする機会が増えました。

時間外労働の上限が規制された2024年問題の影響もあり、ドライバーの仕事は大変といったイメージを持つ方も多いでしょう。

このような背景もあり、ドライバーの人材確保に悩む企業は少なくありません。

 

この記事では、ドライバー採用が難しいと感じる理由についてご紹介します。

また、採用を成功させる求人のポイントや、採用後に定着率をアップさせるための対策についてもお伝えします。

 

社員数の確保は、会社のためだけではなく社員の労働環境を整える面でも非常に重要です。

ぜひ、ドライバー採用や求人を検討する際の参考にしてください。

 

1. ドライバー採用は難しい?業界全体における傾向

 

2024年問題の影響により、ドライバーの時間外労働や拘束時間の管理は、これまで以上に厳格化されています。

その一方で、運べる荷物量が減っているにもかかわらず、ネットショッピングなどの普及により物流需要は増え続けています。

 

「働ける時間は減るのに、仕事量は減らない」という状況が生まれ、このギャップが企業の人手不足を深刻化させている大きな要因です。

また、2024年問題は人手不足だけでなく、割増賃金の増加や労務管理の負担増などの形で、人件費や管理費などの配送コストの増加にも影響を与えます。

 

そのため、待遇改善や業務効率化に取り組まない企業ほど、ドライバーの確保はますます難しくなるでしょう。

これまでと同じ採用方法や運営体制を続けているだけでは、経営面でのリスクが高まる可能性があるため、早い段階での対策が必要です。

 

2. ドライバー採用が難しい5つの理由

 

ここでは、ドライバーの仕事が敬遠されがちな理由を整理し、応募が集まらない背景や採用に至らない原因について詳しくご紹介します。

なぜ応募がないのか・採用まで至らないのかを理解し、改善に役立てましょう。

 

2-1. 労働時間の長さ

 

ドライバーの労働時間は、イメージだけでなく実際に長時間労働になりやすい実態があります。

厚生労働省の調査によると、営業用貨物自動車運転者の年間労働時間は、全産業平均を大きく上回り400時間ほど長いのが現状です。

 

また、国土交通省が実施した実態調査では、運転時間のほかに荷物の積み下ろしなどで待機時間が発生している点も指摘されています。

2024年に制度が変わり、ドライバーの運転時間は短くなっても、この荷待ち時間については依然として大きな改善が進んでいないのが実情です。

1運行あたり3時間程度に及ぶケースもあるとされ、これが平均拘束時間を長くさせる要因の一つとなっています。

 

ワークライフバランスを大切にする人が増えた昨今では、労働時間は仕事を選ぶうえで大切なポイントです。

こうした労働時間の長さや拘束時間の実態が、ドライバー採用が進まない一因といえるでしょう。

参考:トラック|建設業・ドライバー・医師の働き方改革総合サイト はたらきかたススメ|厚生労働省

 

2-2. 給与水準が多職種に比べて低めの傾向

 

国税庁の「令和5年分民間給与実態統計調査 」によると、全産業の平均年収は460万円と発表されています。

一方で、厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査 」で発表された運送業の平均年収は、約304万円です。

一般的な企業と比較すると、150万円ほど年収が低いのが分かります。

 

ドライバーは長時間労働となりやすく、年間労働時間は全産業と比較すると、400時間以上長いとされています。

労働に対する給与が見合っていないと感じられる点が「給与が低い」という印象につながっている理由でしょう。

 

近年では、需要の増加・慢性的な人手不足・法改正などにより待遇改善を進める企業も多く、ドライバーの収入は増加傾向にあります。

今後、ドライバーから選ばれる会社になるためには、労働内容に見合った給与水準を提示することが重要です。

 

2-3. ドライバーの高齢化による人材不足

 

これまで業界を支えてきた中高年層のドライバーが次々と退職していく一方、若年層の新規参入は進んでいません。

その理由の一つが、少子高齢化です。

この影響によってドライバーの平均年齢は上昇傾向にあり、十分な対策を講じなければ、ドライバー人口は今後さらに減少していく可能性があります。

 

また、免許制度の改正により普通免許で運転できるトラックのサイズが変更された点も、若者の応募減少の一因と考えられています。

運転する車種によって、収入が異なる場合が多いため、新たに免許を取得するのはハードルが高くなるでしょう。

 

このような理由から、ドライバーが気になっていても、ほかの職種に流れてしまう可能性があります。

 

2-4. 有効求人倍率が高い

 

トラックドライバーの有効求人倍率は、全産業平均より大幅に高いのが現状です。

1人の求職者に複数の企業が応募を求める「売り手市場」が続いています。

 

この背景には、労働時間の長さや給与水準への不満、若年層の新規参入が進まないこと、さらには離職が重なっているという業界構造上の悪循環があると考えられます。

また、2024年問題による残業規制の強化が、需要と供給のバランスを崩し追い打ちをかけている状況です。

 

いま求められているのは、待遇改善や業務効率化を進め、求職者から選ばれる職場づくりです。

難しいと感じているドライバーの採用はもちろん、その後の離職を防いで定着率を高める取り組みが重要視されています。

 

2-5. 労働環境や条件の厳しさ

 

ドライバー採用が難航する背景には、業界特有の厳しい労働環境があります。

 

ドライバーの種類にもよりますが、運送業のドライバーは、長時間労働や深夜勤務、休日出勤を求められるケースが多くあります。

また、荷待ちや積み下ろしといった付帯作業が多く身体的負担も大きいうえに、実際の運転時間以上に拘束されるケースも少なくありません。

さらに、事故のリスクや時間厳守のプレッシャーを抱えながらの仕事であるため、精神的にも負担がおよびます。

 

こうした働き方は、ワークライフバランスを取りづらく、若年層の応募を遠ざける要因にもなります。

待遇改善が進まない現状では、他業種へ流れる人材が増えるのは当然の流れといえるでしょう。

 

3. ドライバー採用を成功させる求人のポイント

 

ドライバーの人手不足で求人を出している会社は多くありますが、採用まで至らずにお悩みの方も多いでしょう。

 

採用を成功させるためには、求職者が求人に魅力を感じることが大切です。

また、その魅力と実際にギャップがないことも同様に重要です。

 

ここでは、採用を成功させるための求人のポイントをご紹介します。

 

3-1. 仕事量や労働時間を明確にする

 

ドライバーの仕事は、不規則で長時間労働のイメージがあるからこそ、「自分の1日がどう流れるのか」を具体的に想像できる情報が欠かせません。

 

配送件数や走行距離、積み下ろし方法、拘束時間、休憩の取り方など、日々の業務をリアルに描けるほど安心感が生まれます。

とくにドライバー職は、会社によって業務内容が大きく異なります。

曖昧な表現ではミスマッチにつながりやすく、応募後の辞退の原因にもなりかねません。

 

求職者は「無理のない働き方ができるか」「家庭と両立できるか」を重視しているケースが多いでしょう。

実態に即した情報を丁寧に提示することが、信頼獲得の第一歩です。

求人をよく見せようとして、事実と異なる内容を記載することは絶対に避け、働く姿が自然とイメージできる求人を心掛けましょう。

 

3-2. 給与や手当てが具体的にわかる

 

ドライバー職に限らず、多くの求職者が最も気にするのは、給与の仕組みと手当ての実態です。

 

固定給と歩合給の割合、残業代の扱い、深夜・休日手当、無事故手当など、収入に関わる項目を明確に示すことで、求職者は安心して応募できます。

自社ならではの取り組みがあると、さらに魅力もアップするでしょう。

曖昧な表現や抽象的な言葉は不信感を生みやすく、応募をためらう要因になります。

 

また、月収例を提示する際は、平均的な働き方を基準にするとよいでしょう。

実態に合った数字を示すことで入社後のギャップをなくし、応募後の辞退や早期離職を防ぐ環境づくりにつながります。

給与の透明性は、企業の誠実さを伝える重要な要素です。

 

3-3. 企業の実績など安定性を明示する

 

ドライバー業務は、時間厳守や無事故を常に意識するなど、日々の運行に責任がともないます。

そのため求職者は、もしものときのために企業の安定性や安全への取り組みを重視しています。

 

創業年数や取引先の規模、保有車両数、事故防止の取り組み、健康管理体制などを明確に示すとよいでしょう。

これにより、求職者は「安心して働ける会社だ」と判断できます。

また、無理な運行をさせない体制や、ドライブレコーダー・バックモニターなどの安全装備の有無も大きな判断材料です。

 

家族を持つ応募者ほど「長く働けるか」「安全に帰ってこられるか」が求人を選ぶ重要な要素になります。

安定性と安全性を示す情報は、採用競争力を高める強力なアピールポイントになります。

企業の信頼性を丁寧に伝え、職探しをしている方々の応募意欲を高めましょう。

 

3-4. 未経験でも採用できる環境を作る

 

ドライバー不足が続くなか、未経験者の採用は企業にとって重要な戦略です。

そのためには、未経験者でも安心してスタートできる求人情報が欠かせません。

 

同乗研修の期間や指導担当者のサポート体制、免許取得支援制度、研修後のフォローなど、自社で行っている取り組みを具体的に伝えましょう。

未経験でも「自分でもできそうだ」と感じてもらうことが大切です。

 

また、未経験者が実際に活躍している事例を紹介することも効果的です。

初めての業界に飛び込む求職者にとって、安心材料が多いほど応募のハードルは下がります。

育てる姿勢を示すことで、企業の魅力を高めることにもなり長期的な人材確保にもつながるでしょう。

 

3-5. 写真や先輩の声など職場の雰囲気がわかる

 

求職者は仕事内容や給与だけでなく「どんな人たちと働くのか」「どんな雰囲気の会社なのか」を知りたいと考えています。

 

車両や休憩室の写真、先輩ドライバーのインタビュー、1日の仕事の流れなどを掲載することで、職場の空気感が伝わります。

これにより、求職者の応募に対する心理的ハードルが下がるでしょう。

 

とくに、ドライバー職は個人作業が多いため、一人で不安を抱えやすい環境です。

会社のサポート体制やコミュニケーションの様子が見えると安心感が高まります。

 

写真や職員の声は、企業の素顔を伝える力があり、求人の説得力を大きく高めます。

リアルな情報発信は、応募者の不安を取り除き、入職後のミスマッチ防止にもつながるでしょう。

 

4. 採用後に定着率を上げるための改善策

 

ドライバー採用に成功しても、すぐにやめてしまうケースもあります。

離職率の高い職場は、イメージも悪くなり、人材不足による労働環境の悪化にもつながる可能性があります。

 

そうならないためにも、採用後に定着させるための取り組みが必要です。

ここでは、入職後の早期離職を防ぎ長く働いてもらうための対策について5つご紹介します。

 

4-1. 指導や研修体制を整える

 

ドライバーの定着には、入社後の不安を取り除く研修体制が必要不可欠です。

 

新人ドライバーは、運転技術だけでなくルート習得・荷物の扱い・安全判断など、多くのスキルを短期間で身につける必要があります。

経験者であっても、会社ごとでマニュアルや使用するツールなども異なるため、新しいやり方や環境に慣れなければいけません。

その負担は想像以上に大きく、十分なサポートがなければ早期離職につながりやすいでしょう。

 

研修不足は事故リスクの増大にも直結し、企業にとっても大きな損失です。

座学・同乗研修・フォローアップの3段階を整えることで、安心して成長できる環境が生まれます。

また、企業文化を伝え信頼関係を築く重要な機会でもあるため、長く働きたいと思える職場づくりの基盤となるでしょう。

 

4-2. キャリアアップによるメリットが得られる

 

ドライバーが長く働き続けるためには、「将来どう成長できるのか」といった明確さが重要です。

 

物流業界では、ドライバーから主任、運行管理者、所長などへキャリアアップできる道が存在します。

しかし、その道筋が見えなければ、将来への不安を感じ離職につながる可能性があります。

 

資格取得支援や評価制度の整備は、働く意欲を高める大きな要素です。

キャリアアップは単に役職が上がるだけでなく、仕事の幅が広がり、自己成長を実感できる機会でもあります。

 

企業がキャリア形成を支援することで、社員は「ここで働き続けたい」と感じ、定着率向上につながります。

会社自体のパワーアップにもつながるため、双方にとって良い影響となるでしょう。

 

4-3. コミュニケーションがとりやすい環境を作る

 

職場のコミュニケーションは、定着率に大きく影響します。

その大きな理由の一つが、個人作業が多く孤立しやすいドライバー職の環境にあります。

 

悩みの相談や不安の共有ができない環境では、ストレスや精神的負担が高まり離職につながります。

そうならないためにも、定期的な面談や、相談しやすい雰囲気づくりが大切です。

情報共有が円滑になると、トラブルが減り、業務も円滑にすすむといったメリットもあります。

 

コミュニケーションが活性化すると、チームワークが強化され、モチベーション向上にもつながることが多くの調査で示されています。

とくに、新人ドライバーにとっては、気軽に質問できる環境は非常に重要です。

意識的にコミュニケーションの場を設けて、離職防止に努める必要があります。

 

4-4. 就労時間や労働環境が適切か適宜見直す

 

物流業界では長時間労働が課題となりやすく、労働環境の改善は定着に直結します。

 

2024年問題に象徴されるように、ドライバーの拘束時間や休息時間の適正化は国全体の課題でもあります。

働きやすい環境が整っていなければ、どれだけ研修や制度が充実していても離職は防げません。

 

労働時間の見直しや荷主との調整、業務効率化の取り組みは、企業の責任です。

従業員の健康と安全を守るためには必要不可欠な改善のため、社員が安心して働き続けられるように労働環境の改善は適宜行うようにしましょう。

社員の企業への信頼も高まり、安心して長く働き続けられます。

 

4-5. 入社後に起こるイメージの相違を防ぐ

 

早期離職の大きな原因の一つが、入社後のギャップです。

 

仕事内容・職場の雰囲気・労働条件など、入社前のイメージと実際が異なると不満が生まれやすく、離職につながります。

事前に正しい情報を伝えてギャップをできるだけ小さくするためには、現場社員の声の共有、職場見学、体験入社などが効果的です。

 

長時間労働や不規則勤務が多い傾向にあるドライバー業ではとくに、良いところだけを見せようとせず、社員にとって必要な情報をオープンにするようにしましょう。

 

5. まとめ

 

人手不足が慢性化しているなか、ドライバー採用は会社にとって重要な問題です。

 

この厳しい状況を乗り越えるためには、採用を成功させる必要があります。

求人を今一度見直し、仕事の内容や魅力を具体的かつ明確に伝えることが重要です。

また、魅力を感じてもらうためには、働きやすい職場環境を整える必要がある企業もあるかもしれません。

 

日々の業務に追われるなかでの対策は大変かと思いますが、会社をよりよくしパワーアップさせるためにも大切な取り組みです。

ドライバー採用を成功させるためにも、少しずつでもよいので、求人内容や職場環境の改善に取り組んでいきましょう。