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タクシードライバーの年収|収入差の原因や高収入の目指し方を解説

タクシードライバーの年収を調べる際、媒体ごとに数字が異なるため、実際の水準を判断しづらい場合があります。

これは、タクシードライバーの年収が一律ではなく、勤務形態・給与体系・地域・働き方などに大きく左右されるためです。

表面的な平均年収だけを見て判断すると、実態とのギャップを感じるケースも少なくありません。

 

本記事では、タクシードライバーの平均年収をはじめ、年収に差が出る要因や給与の仕組み、高収入を目指すための考え方を解説します。

年収・働き方を理解し、自分の生活スタイルやキャリア設計に適しているかを判断する際の参考情報としてご活用ください。

 

1. タクシードライバーの年収|平均はいくら?

 

一般社団法人 全国ハイヤー・タクシー連合会によると、令和6年におけるタクシードライバーの平均年収は、年間414万8,500円と推計されています。

一方、国税庁が公表した「令和6年分 民間給与実態統計調査」では、給与所得者全体の平均年収は478万円とされており、タクシードライバーの平均年収は全体平均と比べるとやや低い水準にあります。

 

ただし、タクシードライバーの年収は、働く条件によって差が生じやすい職種である点が特徴です。

都市部などタクシー需要の高い地域では、歩合制を活かすことで高収入を得やすい一方、地方では需要の少なさが年収に影響する傾向にあります。

また、タクシー業界は高齢ドライバーの割合が高く、年金と併用して働く人が多いことも、平均年収を下げる要因の一つと考えられます。

 

そのため、平均年収の数値だけで判断するのではなく、勤務エリア・時間帯・会社の規模・福利厚生などを総合的に考慮したうえで、就職や転職を検討することが重要です。

参考:タクシー運転者の賃金・労働時間の現況(令和6年)|全国ハイヤー・タクシー連合会

 

2. タクシードライバーの年収に差が出る5つの要因

 

本章では、タクシードライバーの年収に差が出る要因を5つご紹介します。

タクシードライバーとしてしっかり稼ぐためにも、これらのポイントを押さえておきましょう。

 

2-1. 経験の差

 

タクシードライバーの年収は、経験年数によって大きく変動します。

 

新人のうちは地理に不慣れなため、営業効率が悪くなりやすく、年収が平均に届かないことも珍しくありません。

しかし、経験を積むにつれて「稼げるエリア」「時間帯」「お客様の動き」が読めるようになり、売上効率が飛躍的に向上します。

 

特に3年以上の経験を持つドライバーは、配車アプリの使いこなしやリピーター獲得など、営業スキルが安定してきます。

歩合率が高い会社では、年収500〜600万円台到達も夢ではありません。

 

また、経験者は会社側からも評価されやすく、歩合率アップや好条件の勤務シフトを任されることもあります。

こうした積み重ねが経験となり、年収差を生む大きな要因となっています。

 

2-2.都市部と地方の地域差

 

タクシードライバーの年収差でもっとも大きい要因が、地域差です。

下表は都道府県別の平均年収の一部であり、都市部と地方で年間推計額に大きな違いが見られます。

 

タクシードライバーの都道府県別平均年収(令和6年)
都道府県 年間推計額
東京都 502万2,500円
愛知県 475万1,100円
大阪府 457万3,400円
高知県 306万3,600円
徳島県 252万6,000円
青森県 211万9,200円

 

最大の理由は、「タクシー需要の量」です。

都市部は観光・ビジネス・夜間需要が多く、流し営業やアプリ配車が頻繁に発生するなど、売上を伸ばしやすい環境が整っています。

 

それに対して地方は、マイカー移動が中心です。

また、人口の少なさから無線配車や待機が基本となるため、売上も伸びにくい構造となっています。

歩合制の給与体系で働いている場合、売上がそのまま収入に直結するため、地域差は年収差に強く反映されます。

 

地方で働く場合は、歩合制がデメリットになるケースもあるため、会社の賃金体系など詳細を確認したうえで選ぶようにしましょう。

 

2-3.会社の給与制度の差

 

タクシー会社の給与制度は、会社ごとにさまざまです。

大きくA型・B型・AB型に分かれ、賃金体系が年収差に直結するため、どれが自分の希望する働き方なのかを判断することが大切です。

 

また、賃金体系だけでなく、会社ごとのサポート体制や保証制度が充実しているかも確認しておきましょう。

例えば未経験で入社した場合、 新人のための給与保証制度があると、入社後数カ月間は売上に関係なく一定額の給与を保証してくれるため安心です。

 

さらに会社によって、定期的な研修の有無・無線配車やアプリ配車の強さ・専用乗り場の有無など、働きやすさも異なります。

会社の営業基盤も収入に差を生む大きな要因です。

 

同じ働き方でも、会社のサポート体制次第で年収に差が生まれることもあるため、賃金体系以外も確認しておきましょう。

 

2-4.勤務時間帯による差

 

タクシードライバーの年収は、勤務時間帯によっても大きく変わります。

 

特に、深夜・早朝帯(22〜5時)は割増料金が適用されるため、売り上げアップが見込めます。

都市部では、飲食店の閉店時間帯や終電後に需要が集中するため、売上が昼間の1.5〜2倍に達することもめずらしくありません。

 

また、1日おきの隔日勤務は、長時間勤務で拘束時間も長いため、日中と夜間両方の需要が拾いやすく、効率よく稼ぐことができます。

夜勤や隔日勤務の場合は、働き方次第で年収700万円以上を目指すことも可能で、多くのタクシー会社では勤務形態の主流となっています。

 

一方で日勤のみの場合、需要が安定しているものの、深夜割増がないため売上が伸びにくいのが現状です。

しかし、配車アプリの普及により、昼間でも効率的に稼げるケースもあるため、会社の営業基盤やサポートを活用して収入アップを目指すとよいでしょう。

 

関連記事:タクシーの隔日勤務とは?メリットから向いている人まで解説

 

2-5.年齢の差

 

年収は、下表のとおり年齢によっても差が生まれます。

 

タクシードライバーの年齢別平均収入(令和6年)
20代 420万5,500円
30代 460万2,900円
40代 460万700円
50代 457万4,800円
60代 405万5,250円
70代~ 341万9,400円

 

年齢によって年収が変わる理由は、体力・勤務時間・営業効率の差などによるものです。

20〜40代は体力があり、夜勤や隔日勤務にも対応しやすいため、売上を伸ばしやすいのが特徴です。

 

一方、60代以降は体力的な負担から勤務時間を短縮したり、深夜帯を避けたりする傾向があり、売上が減少しやすくなります。

実際に、年代別による収入は40代をピークに、その後50代から下がっていきます。

 

また、高齢ドライバーは年金と併用して働くケースがあり、収入を抑えて働く人も少なくありません。

こうした要因が、平均年収を下げている側面といえるでしょう。

 

年齢によって生まれる経験差が収入差を生むこともあります。

しかし、年齢による収入差は、直接的な能力差ではなく、働き方の違いが表れているといえます。

 

3. タクシードライバーの賃金体系の仕組み

 

タクシードライバーには、主にA型賃金・B型賃金・AB型賃金という3つの賃金体系があります。

それぞれの違いを表にまとめると、次のとおりです。

 

A型賃金 B型賃金 AB型賃金
賃金体系 固定給+歩合給+賞与 完全歩合制 固定給+歩合給
固定給 あり(AB型より多め) なし あり(A型より少なめ)
歩合率 約30% 約50~60% 約40%

 

本章では、各賃金体系の特徴や具体的な給与例についてご紹介します。

 

3-1.A型賃金(固定給+歩合給+賞与)

 

A型賃金は、タクシー業界でもっとも安定性の高い給与体系です。

一定額の基本給が保証され、そのうえで売上に応じた歩合が加算されます。

 

固定給が収入の大元(おおもと)となるため安定しやすく、未経験者や営業に自信がない人でも安心して働ける点が大きなメリットです。

一方で、歩合率はB型より低めに設定されることが多く、売上を伸ばしても収入に反映されにくいといったデメリットがあります。

 

【具体的な給与例】

  • 基本給 約15~25万円
  • 歩合率 約30%(月60万円売り上げた場合は18万円)
  • 賞与 年に数回(会社による)

 

基本給が主なため、安定性を重視する人や未経験で入社した人などに向いている賃金体系といえるでしょう。

 

3-2.B型賃金(完全歩合制)

 

B型賃金は完全歩合制が特徴で、売上の一定割合がそのまま給与になります。

固定給がないため収入の変動は大きいものの、歩合率が約50~60%とほかの給与体系よりも高く、売上を伸ばすほど収入が増える成果主義の働き方です。

 

都市部で長時間しっかり働ける人にとっては、高収入を狙いやすい点が大きなメリットです。

実際に、平均をはるかに超えて、年収700万円以上に達するケースもあります。

一方で、需要が少ない地域や閑散期には収入が大きく落ち込むリスクもあり、体調不良や天候の影響など安定性に欠けるのが最大のデメリットです。

 

【具体的な給与例】

  • 歩合率 約50~60%
  • 歩合率50%の場合 月60万円の売り上げで月収30万円
  • 歩合率60%の場合 月60万円の売り上げで月収36万円

 

営業力や体力に自信があり、成果でしっかり稼ぎたい人向けの賃金体系といえるでしょう。

 

3-3.AB型賃金(固定給+歩合給)

 

AB型賃金は、A型とB型の中間に位置する給与体系で、タクシー会社の多くで採用されているもっとも一般的なものです。

月収の安定性と成果反映の両方を兼ね備えています。

 

A型よりも固定給は低めですが、歩合部分で努力が反映されるため、自分の頑張りが給与につながりやすいのが特徴です。

一方で、歩合率はB型ほど高くないため、即時的な収入の増加は難しいでしょう。

 

【具体的な給与例】

  • 固定給 約10~15万円
  • 歩合率 約40%(月60万円売り上げた場合は24万円)

 

安定と成果のバランスを重視しつつ、年収を計画的に確保したい人に適した賃金体系です。

 

4. タクシードライバーが高収入を目指すための3つのポイント

 

タクシー運転手が高収入を目指すことは可能で、年収1,000万円を達成するドライバーも存在します。

しかし、そのためには、日々の積み重ねと戦略が重要です。

ここでは、高収入を目指すためのポイントを3つご紹介します。

 

4-1. 需要のあるエリアと時間帯の把握

 

高収入を目指すためには、需要のある時間帯やエリアの情報収集が大切です。

駅のタクシー乗り場だけでなく、病院・空港・商業施設・オフィス街など、多くのタクシー利用が見込める場所を把握しましょう。

 

また、営業エリアについて情報収集の習慣化も重要です。

効率的な営業ができるだけでなく、コンサートや花火大会などの大規模なイベントがあるとタクシー需要が高まるため、1日の収入アップにつながるでしょう。

 

さらに、時間帯によっても乗客が見込める場所は変わります。

特に、深夜帯は料金が深夜割増になるため、高収入を目指すチャンスです。

 

担当エリアの特徴と時間帯ごとの需要を把握し、より多くの乗客を乗せられるように意識しましょう。

 

4-2. 配車アプリの活用

 

待ち時間を減らし、効率よく乗客を乗せるためには、配車アプリの活用は欠かせません。

配車アプリは、周辺を走るタクシーをスムーズに呼べるサービスで、これにより走行距離あたりの売上が安定しやすくなります。

 

また、出発地や目的地の情報が事前に分かるのも配車アプリのよいところで、未経験や入社して間もない人でも安心して対応ができます。

ただし、導入していない会社もあるため、配車アプリを活用して働きたい場合は事前に確認しておくとよいでしょう。

 

4-3. 接客力の向上

 

接客力の向上も、収入アップには必要不可欠です。

すぐに成果が出るわけではありませんが、リピーターや口コミ評価にもつながり、長期的目線で高収入がねらえます。

 

近年は、インバウンド客も増えているため、英会話ができると強みになるでしょう。

接客力の向上の具体例は次の通りです。

 

  • 丁寧な接客
  • 安全運転
  • 車内環境の清潔保持
  • 道を覚える
  • 名刺の活用

 

上記のような行動で、リピーターからの指名が増え安定した収入につながります。

 

5. タクシードライバーの年収に関連するよくある質問

 

タクシードライバーに就職・転職を考えている人向けに、よくある質問をまとめました。

就職や転職を検討する際の判断材料にしてください。

 

5-1. 歩合給だと1日でいくら稼げる?

 

タクシードライバーの場合、歩合率によって1日に稼げる額は異なります。

 

タクシードライバーが1日で稼げる額は、平均4~6万円程度です。

完全歩合制のB型であれば、歩合率は50~60%とされているため、1日の収入はおおよそ2万~3万6,000円となります。

ただし、タクシー需要の少ない地域や会社の賃金体系などによっては、1日の平均収入に届くのが難しいケースも珍しくありません。

 

関連記事:タクシー運転手の歩合率とは?歩合制の特徴や手取りの計算方法を解説 

 

5-2. タクシードライバーは未経験でも稼げる?

 

タクシードライバーの場合、未経験からでも稼ぐことは十分に可能です。

しかし、最初から完全歩合制のB型だと、経験不足から最初は思うように収入が増えづらいかもしれません。

未経験からスタートの場合、固定給があり収入が安定しているA型、もしくはA型とB型の中間であるAB型が継続に向いておりおすすめです。

 

多くの会社では、未経験でも安心してスタートができるよう、研修などのサポート体制が整っています。

研修期間中に接客マナー・地理・アプリ操作を学べるため、基礎力を固めてデビュー後の収入を安定させましょう。

 

関連記事:未経験でもタクシードライバーに転職できる?働き方や年収も解説

 

5-3. 働くなら大手企業と中小企業のどちらがよい?

 

大手企業と中小企業、どちらにも特徴や魅力があります。

 

大手企業で働くメリットは、教育体制やサポートの手厚さ、高収入など待遇がよい点です。

ところが、規模が大きい分ルールや勤務体系が細かく、自由度は低い可能性があります。

 

一方で中小企業は、働き方の融通がききやすく柔軟な対応ができ、アットホームな雰囲気の企業も多くみられます。

ただし、会社ごとで集客力や車両設備などに差が出やすいため、よく見極める必要があるでしょう。

 

6. まとめ

 

令和6年度のタクシードライバーの平均年収は約414万円です。

しかしこの平均年収は、地域・経験・勤務する会社によって大きな差が生まれることもあります。

 

ポイントを押さえれば、高収入は可能です。

タクシードライバーへの転職や入社を検討している人は、給与形態を理解し、自分に合った働き方のできる会社を選ぶとよいでしょう。

 

また、未経験者を歓迎している会社も多くあります。

二種免許取得費用の負担や研修などのサポート体制が充実している企業もあるため、給与以外の情報収集をしておくのもおすすめです。

 

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